憧れだったアーティストマネージャーを憧れで終わらせたくないなんて熱い事言ってみる
マネージャーになりたい
そう確信を持って言うようになったのは2015年の2月大学生の頃。
家族で好きだったFUNKY MONKEY BABYSのライブを見に行っていた時ある一つのグループと出会った。
そのグループは先輩のライブで物販の列整理や、客席カメラ、サポートボーカルをしていた。その終演後、自分たちのチラシとCDを売っていた。
その姿を今でも覚えているけどずっと笑顔を振りまいていた(言い方に語弊があるが本当にそんな感じ)
なんでこの人たちはこんなに笑顔でいるのか。この人たちの音楽ってどんな感じなのか気になってしまいまんまとCDを購入して聞いてみた。
月並みの表現しかできないけど好きな音楽だった。キャッチーな歌詞と曲調。EDMとは何かわからなかったけど今まで聞いていた音楽とはちょっと違って耳に残る感じがした。
いつもだとファンになるで終わるのだが、どうも気になってしまって次の日のライブのチケットは持っていなかったけどライブ会場に行っていた。
そこにはやっぱり笑顔でそのグループがちらほら立っていた。
でも、その近くに1人の女性がいるの事に気付いた。
それが私がずっと今でも憧れとしているマネージャーの清水さんだ。
そのマネージャーさんもずっとずっと笑顔で「CD販売していまーーす!!」「是非よかったら聴いてみてください!」「ライブもしてますー!」と通りかかるファン全てに声かけをしていた。
その人に釘付けになった。
私が知ってる音楽のマネージャーさんは「怖い」「つんけんしてる」「ファンとは関わらないようにしている」そんなネガティブなイメージしかなった。
でも清水さんはおそらくファンモンのファンばかりの会場でずっと笑顔で必死にグループの名前を叫び声かけをしていた。
なんでこの人はこのグループのために必死になれるのか。
なんでそんなふうに熱く話しながら笑顔でファンと話せるのか。
なんでなんでって思っていたけど、私の想像しているマネージャーと正反対だったからこそ、そんな人になりたいと思うようになった。
自分の担当してる人にとって何かきっかけになるように、ファンが1人でも増えるように、「このアーティストいいんですよ!素敵なんですよ!聞いてみてよ!」と知ってもらおうと売りたいとそんなふうに見えた。
そんなふうに思えるようになるのには、相当そのグループのことが好きで信じているんだと思った。
それくらいの思いや覚悟がないとできないんだと思ったのと同時に、そんな人になりたい、そんなマネージャーになりたいと心から思った。
岐阜公演の終演後、いつものようにCD販売をしていて片付けをしてる清水さんを見つけて、両親に背中を押されて話しかけてみていた。
「マネージャーになるにはどうしたらいいですか」
漠然としたこの質問に対して、一瞬「え?」とびっくりした顔をしたけど音楽求人サイトを紹介してくれたり「がんばって!!!待ってる!」と変わらない笑顔で言ってくれた。
初めての事であまり詳細は覚えていないけどその言葉だけは覚えている。
そこから大学を卒業して、今勤めている音楽事務所に新卒で入社することが出来た。
夢にまでみた音楽事務所で働ける!
あの清水さんと同じフィールドで働ける!
あんな姿になれるか不安だったけどワクワクの方が勝っていた。
でも、配属されたのはその会社に唯一ある俳優部への配属だった。同期の中で1人だけの俳優部配属だった。
そしてそこで働いて4年目になる。
同じく俳優部でマネージャーをしている。
今は俳優でもなくタレントのマネージャーだ。
色々と思い描いていたマネージャーの道のりとは違い過ぎて、ワクワクも薄れ、大好きだった音楽を遠ざけるようになっていた時期もあった。
でも今はここで踏ん張って頑張っていかないといけないと奮起したり、3年半色々なことがあってなんのために頑張るのか見失ってしまったりもした。
でもたまに会える清水さんはいつも笑顔で、がんばれ!踏ん張り時だよ。今日泣いてても明日には笑ってるし、一週間後には笑ってるから大丈夫!って励ましてくれたりもした。本当に本当に助けてもらっていた。グループのリリースイベントに行っているというより清水さんに会いに行っていたくらいなときもあった。
そのグループのライブでは後ろの方で真剣な眼差しでステージを見つめている清水さんがいた。音響の人やチーフマネージャーと話してライブを裏方として作っていた。
すごくすごくかっこよかった。
いつもその姿を見ては自分も頑張ろうと思って鼓舞していた。
あっという間に4年目になり後輩もたくさん入社してきてもちろんアーティスト配属になる後輩ばかりだ。
いいないいなと思い羨む事しか出来ない自分でしかいれなかった。
部署異動を希望すれば通ったかもしれない。
でも生まれ持った負けず嫌いと一つのことをやり通さなきゃ他のことも全う出来ないという親の教えもあり、今までなんとかやってきた。
でも「私がやりたい事はなんだろう」
ふと立ち止まって思う事が多くなってきた。
コロナの影響で見つめ直す期間が多くなったということもあるが、今やりたいことが本当にやりたい事なのか、迷っているとき気持ちが落ち込んでしまったときいつもそばにあったのは音楽だった。
久しぶりに音楽特番を見ていた時、生演奏で歌唱披露していたアーティストを見た。その時自然と涙が溢れていた。この時期に人を元気に出来るのは音楽だったんだ。がんばれという言葉よりも何よりも心に響くのは音楽だったんだと改めて思った。
そこからずっともやもやしていた気持ちが晴れ始めて、夢だった事、マネージャーになろうと思ったきっかけ、やりたかった事を書き出してみたりして、履歴書を書くようになった。
少し前に進めた気がした。
まだ頑張れる。やれる。
音楽という活力をアーティストとともに伝えていきたい。
がんばろう。わたし。
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