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「認知科学」、マジカルナンバーの話と諸効果 (8)
8 諸効果 (2)
◎「カクテルパーティー効果」
パーティー会場や宴会場のように多くの人がいて会話が飛び交う騒々しい場であっても、自分の名前を呼ばれるとなぜか聞き取れたり、大勢の人のなかから友人を見つけることができたといった経験はありませんか?これは「カクテルパーティー効果」とわれるものです。心理学者のコリン・チェリーによって提唱された「選択的注意」のひとつです。
カクテルパーティー効果をマーケティングに応用する場合、メールの件名に「〇〇様へ」と宛名を入れたり、「マーケティング部門の方限定セミナー」などセグメントを利用したキーワードを入れると良いでしょう。これによって、山のようなメールの中から見つけてもらいやすくする効果のほか、自分宛と認知してもらうことで開封率やクリック率を高めたりすることができます。
◎「ウィンザー効果」
ウィンザー効果は、第三者による情報を間接的に受けることで、提案内容の信頼性・信憑性が高まる心理効果です。そのルーツは、小説作家であるアーリーン・ロマンスの著作「伯爵夫人はスパイ」の台詞にあります。作中に登場するウィンザー伯爵は、第三者の褒め言葉がどんな時も一番効果があると語りました。以降、口コミやレビューといった第三者の意見に信頼性・信憑性を感じることを、ウィンザー効果と呼ぶようになったとされます。これはお客様目線で考えると想像しやすくなるでしょう。たとえば、営業パーソンに「自社の○○は素晴らしいですよ」とおすすめされるケースと、「自社アンケートによりますと、自社の○○は○○のお客様からご好評いただいております」と提案されるケースがあるとします。多くの場合、情報の信頼性・信憑性を感じるのは後者でしょう。ただし、注意点もあります。
商談などでウィンザー効果を取り入れるには、自社と利害関係のない第三者から得た情報を提示する必要があります。一般的には、口コミやレビュー、アンケート調査の結果などを用います。ユーザーは自社と利害関係がないため、嘘をつく必要がありません。そのため、提案内容の信頼性・信憑性が高いと感じるのです。
◎「ミラーリング効果」
ミラーリング効果とは、相手の言動や行動を模倣する心理学テクニックです。商談を例に挙げると、同じタイミングで資料を開いたり、飲み物を口にしたりします。ミラーリングすることで共感を呼び、無意識に親近感や好意を抱く心理現象が働きます。
ミラーリング効果のメリットは、短時間で相手との距離を縮めやすいことです。無意識に好意を抱く心理を利用するため、短時間の商談においても相手の懐に入り、本音を引き出しやすくなります。結果的に商談がスムーズになり、成約率向上も期待できるでしょう。ただし、あからさまなミラーリングは逆効果です。本テクニックは無意識が前提にあるため、「真似をされている」と勘づかれた時点で不快感を与えます。商談開始前の挨拶や会話中など、さりげないタイミングでミラーリングするのがコツです。
(つづく)