相続税と贈与税の違いは？
贈与税と相続税は共に個人から個人への財産移転にかかる税金ですが、主な違いは以下の通りです。
課税のタイミング:
相続税: 課税の対象となるのは、人が亡くなった際にその人の財産を継承する時です。遺産として受け取る財産全体に対してかかる税金であり、相続人が財産を引き継ぎます。相続税は故人の財産を相続や遺贈、死因贈与などで取得した場合にかかります。
贈与税: 人が生きている間に、その人の財産を他の人に移転する際に課税されます。贈与税は、生きている人からの財産の贈与に対してかかる税金です。
税法における役割:
相続税: 相続税法によって徴収され、故人からの財産継承にかかる税金です。
贈与税: 相続税を補完する役割を果たす税金で、生前に行われる財産の贈与にかかります。贈与税は、相続税を逃れるための生前贈与を防ぐ意味も含まれています。
基礎控除と税率:
相続税: 基礎控除額は3,000万円に法定相続人の数×600万円が加算されます。これは贈与税の基礎控除より大きく、相続税の税率は10％から最大55％の間ですが、贈与税の特例税率より税額が少なくなるように設定されています。
贈与税: 相続税と同じく税率は10％から最大55％ですが、贈与税の基礎控除は相続税よりも小さく、相続税の基礎控除額より税額が多くなる傾向にあります。
税の適用範囲:
相続税: 亡くなられた方の義務や権利を含む相続財産全体に適用されます。
贈与税: 生前に個別に行われる贈与に対して適用されます。
これらの違いから、相続時と生前贈与時で税の負担が異なることがあり、税務計画においてはこれらの点を考慮することが重要です。