見出し画像

日本語ボランティアの現場からこれからを考えてみたら

昨年から日本語教師養成講座に通っています。
その少し前から、教える現場を知りたいと思い、地域の日本語教室にもボランティアとして通い始めました。
日本語教室に初めて参加した時、
「しばらく生徒と一緒に授業を受けてください。
慣れてきたら、授業を受け持ってもらいます」と言われました。
「教え方の指導はないのですか」と聞いてみたら、30年前には県で講習会があったけれど、今は行われていない、と。

今、私が住む地方都市は、総人口の1.5%くらいが外国籍の人になっています。 
日本語教室に通ってきている外国人についてだけの知識ですが、母国でほとんど日本語を学ばずに来日している方も多いです。
職場も外国人が多いため、日本語に触れる機会が少なく、日本語教室への週1回の通学だけが学ぶチャンスという方たちです。
聞いてみると、母国での生活はとても厳しいので、できるだけ長く日本で暮らしたい、と考えているようです。 
では、日本の職場環境は恵まれているかというと、勤務時間が長く厳しそうですが、それでも母国よりは恵まれているのでしょう。

日本語教室の指導者は、ほとんどが団塊の世代周辺の方たちです。
日本中でボランティア活動を積極的に取り組んでいるのはこの年代の方々でしょう。
一時代を築いてきた方々は、だんだんにその活動から引退をする時期が近づいています。
次の世代は育っていません。
これから先も、外国籍の人の日本語習得を専門性を身につけていないボランティアに頼っていくのは無理があるだろうな、と思います。

経済的な理由などで日本語学校やオンライン講座で日本語を学ぶことができない外国人は、これから先もっと増えていくと思います。
私が日本語教室で接している外国人の方たちは、学歴はないかもしれないけれど、明るく思いやりのあるやさしい人たちです。
日本が住みやすい、長く住みたい、そのために努力したいと思っている外国人に、日本語や日本文化を学んでもらえる機関があれば、時々耳にする外国人とのトラブルや犯罪は抑制できるのではないでしょうか。
お互いを知らないから起きているトラブルは多いのではないかと思います。

日本は、人を育て、護る人材を大切にしていない国になってしまっていることを、とても残念に思っています。
教育でも保育でも、医療でも福祉でも、防衛でも、業務は増えていても人員は増えず、待遇がなかなか改善しません。
マスコミは無責任にブラック、3K、5Kなどと言いたて、その報道がますます現場を困難な状況に陥れているようにしか見えません。
世の中をいい方向に進める建設的な報道こそ、報道の価値があるのではないでしょうか。
業務や責任に見合った待遇が、その仕事の価値の認識を高め、国民の幸福度にもつながるのではないかと思っています。


ちょっと横道に寄れますが、私が考えている仕事の価値に、昔のような上下関係はいらないと思っています。
誰が偉いではなく、その仕事の価値を認め、尊重し合う、提供者も受け取る側も、フラットなパートナーシップ関係を築いていける関係がいいな、と思っています。
例えば、いつでもなんでもやってくれるサービスにするために、どれだけの人が無理をし続けなければいけないのか。
それを当たり前と考えることは変えて行かないと、持続できない時代が来てしまうのではないでしょうか。


色々考えていくとどんどん脱線していくので、今日はこのあたりまでにします。
高齢化も人口減もこれから先ずっと続いていきます。
今とこれからを生きる人たちを支え、育て、護る方策を、少しでも早く、前に進めてほしい、と思っています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?