ヘッドホンアンプ Shinya's Studio HPA2520を試してみました
こんにちは、作編曲家/レコーディングエンジニアの三國です。
レコーディングエンジニアであり、オリジナルのスタジオ機材も制作されているShinya's Studioさんから新商品のヘッドホンアンプ「HPA2520」をお借りしたので試してみました。
ファーストインプレッションはツイートしたのですが、ほかのヘッドホンアンプと比べるとやや変わった(?)仕様になっており(その変わった使用が便利なのです!)これは詳しい説明が必要だな、と思って今この記事を書いています。
オーディオインターフェイスを強化するためのプロダクト
ヘッドホンアンプとして、コンピュータやスマホとUSBで繋いで使ういわゆるDACと呼ばれるものと、オーディオインターフェイスなどとアナログで繋ぐものがありますがHPA2520は後者になります。
オーディオインターフェイスについているヘッドホンアウト(ヘッドホン出力)はメインのラインアウト(スピーカー出力)に比べておまけというか、そこまで力が入っていないことが多いのでその部分を強化するために開発されたそうです。
ヘッドホンアウトではなく、ラインアウトに繋いで使う
この立ち位置のプロダクトとしては、ヘッドホンアウトに繋いで使うものとラインアウトに繋いで使うものがありますがHPA2520はラインアウトに繋いで使います。
このタイプの製品は通常、複数のラインアウトを持っていないオーディオインターフェイスだとヘッドホンアンプを使うときはスピーカーとの接続を外して繋ぎ変えて、スピーカーから聴きたいときはまた外して繋ぎ変えて……というふうにしなければいけなくて正直面倒なのですが、その辺りはさすが自身がレコーディングエンジニアのShinya’s Studioさんで、この製品はそこの部分に工夫が凝らされています。
HPA2520にはスピーカーアウトがついていて、オーディオインターフェイス→HPA2520→スピーカーというふうに接続すればラインアウトが2ch(ステレオ1組分)しか持っていないオーディオインターフェイスでも面倒な繋ぎ変えをせずスピーカーとヘッドホンの出力を両立することができます。
便利なミュートスイッチつき
スピーカーから聴いているときはヘッドホンから音が漏れていたら気になるし(開放型のヘッドホンを使っていると音漏れ量が大きいのでかなり気になりますよね)、逆にヘッドホンから聴いているときはスピーカーから音が出ていると気になりますよね。
HPA2520には「ヘッドホンからのみ出力する」「スピーカーからのみ出力する」「どっちもミュート」のスイッチが付いています。この辺りも、さすがレコーディングエンジニアが作ったプロダクト!という感じで痒いところに手が届いていて嬉しいです。
ボリュームはなしの割り切った仕様
ヘッドホンアンプ側にボリューム調整はついていません。「オーディオインターフェイス側のボリューム調整で対応してくれ」という割り切った仕様になっています。LchとRchで誤差がないようにしようと思うと色々とコストが上がって商品価格が抑えられなくなるからその仕様になっているようです。
それはちょっと不便だな〜と触る前までは思っていたのですが、使い始めてみたら意外とそんなに気になりませんでした。
肝心の音質は?
プロダクトのコンセプト的に、一桁万円台のオーディオインターフェイスと組み合わせて使うユーザーをメインターゲットにしてるのだと思いますがここは敢えて、私が普段仕事で使っている50万くらいのオーディオインターフェイスのヘッドホンアウトと比較してみました(笑)比較に使用したヘッドホンはULTRASONE Signature PURE。今大人気のヘッドホンです。
繋いでみて、まず一聴して大きな違いは低域の量感! Signature PUREは結構低域が出るヘッドホンなんですけれど、オーディオインターフェイスのヘッドホンアンプからだとそれをそこまで感じなかったのがHPA2520に繋ぐとそのサウンドキャラクターがしっかりと出ました。
情報量の多さはもちろんですが、音色自体もオーディオインターフェイスのヘッドホンアウトと比べるととても太く説得力のあるサウンドです。(かといって、決して色付けされた音色ということではないです。あくまでモニターサウンド)
これはスピーカーから大きな音を出せない、ヘッドホン中心の制作が多いユーザーにはめちゃくちゃ助かるプロダクトなんじゃないでしょうか。
最後に購入リンクを貼っておきます。
何台売れても私にインセンティブが入ってきたりはしないので安心してご購入ください(?)