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マイクからの音がDAWに来ない!のときの原因と解決策

先日、私の録音のレッスンを過去に受けた子から「今ホールの舞台袖で録音の準備をしているけれどPro Toolsに音が来ない、困った」という泣きつき電話がかかってきました。
録音って、マイクの拾った音がスピーカーなりヘッドホンなりから聞こえるようになるまでに要素が多すぎるんですよね。スタンドにマイクを立ててRecボタンを押せばすぐ録れたらどんなに楽なことか! すべてのチャンネルのメーターが良い感じのレベル感で振れてるのを確認できただけでホッとしてしまいます。もう仕事は半分終わった気分。

というわけで、そんな困った事態が発生したときにチェックするべき項目を考えてみました。

考えられる原因

一例としてホール録音の場合、これだけの可能性が考えられます。

  1. マイクが死んでいる可能性

  2. マイクケーブルが死んでいる可能性

  3. (送り側)マルチボックスが死んでいる可能性

  4. マルチケーブルが死んでいる可能性

  5. (受け側)マルチボックスが死んでいる可能性

  6. 立ち上げケーブルが死んでいる可能性

  7. ファンタムが入っていない可能性

  8. I/Oが死んでいる可能性

  9. I/Oとコンピュータを繋ぐケーブル(USBなど)が死んでいる可能性

  10. I/Oの設定ミス

  11. DAWの設定ミス

  12. コンピュータ側のなにかしらのバグ

なにかしらのアウトボードを使っている場合、さらに原因の可能性は増えます。

解決するためのいくつかの手段

そもそもDAWからI/Oが見えていない場合

上記(8) 〜 (11) が怪しいです。I/Oの電源は入っているのか、USBケーブルは繋がっているか。ここまでやってもDAWから認識されていない、あるいはI/Oの挙動がおかしい場合はひとまずコンピュータもI/Oも再起動しましょう。「とりあえず再起動」が解決してくれる問題はとても多いです。

I/Oのメーターは振れているけれどDAWのメーターが反応しない場合

上記 (10) (11) (12) が怪しいです。DAWのプレイバックエンジンはそのI/Oが選択されているのか、作成したトラックのインプットチャンネルの設定は正しいのか、あたりが怪しいです。それでも直らないときはとりあえず再起動。

特定のトラックだけメーターが反応しない場合

上記(1) 〜 (7) , (10) (11) (12) が怪しいです。一番手っ取り早いのはマイク交換、マイクケーブル交換、マルチは空いてる違うチャンネルに変更、立ち上げケーブルも交換、I/Oの受けチャンネルも変更……とすべてを総取っ替えしてしまうことです。と、その前にDAW側でのインプットチャンネルの設定は正しいのか、ファンタムの入れ忘れはないかの確認も忘れずに。
原因究明する時間的余裕があるのであれば、上記の要素をひとつずつ交換していって試していけばどこで問題が起きているか明らかになるはずです。それでも直らないときはとりあえず再起動。

すべてのトラックのメーターが反応しない場合

(3) (4) (5) (7) (8) (10) (11) (12) が怪しいです。
まずはマルチを使わず、I/Oの空いたチャンネルに直接マイクを接続してみましょう。DAW側でのインプットチャンネルの設定は正しいのか、ファンタムの入れ忘れはないかの確認も忘れずに。それでも直らないときはとりあえず再起動。

現場で混乱しないために

I/Oから普段正しく録音再生ができているからといって、全チャンネルが同じように問題なく使えるとは限りません。当日現場で大慌てにならないよう、とくに現場で替えの効きにくい機材であるマイクとI/Oは全チャンネル問題なく動作するか前日に確認しておきましょう。

投げ銭にしてあるので、この記事で命が救われた方はよろしくお願いします(笑)

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