麻辣湯から考える、社会的弱者について
新しくできた麻辣湯の店に、夫と行ってみた
お店に入ると、可愛い女の子が出てきて、
『このお店は初めてですか?』と聞いてきたのでうなづくと
『ご注文方法を説明させていただきます!』
と、ハキハキと説明してくれた
好きなトッピングを選ぶこと、重さで値段が変わること、
そのあと、好きな麺とスープと辛さを選ぶこと、
お会計をしたら、煮あがるまで席で待つこと
そして、銀色のボウルをひとりずつ持たされた
言われた通り、トングで野菜をボウルに入れる
私は春雨の白湯ゼロ辛、夫は中華麺のイチ辛
思ったの
説明してくれた女の子は20代前半
20年前なら、私がしゃがんで説明してあげる立場だった
『お店で走っちゃダメよ』
『おそばは熱いから、フウフウして食べるのよ』
ってね
50を過ぎた私たちは、新しい食べ方が分からず、
20代の子の説明をおとなしく聞いた
なんか、もう社会のお荷物になりつつあるのかなあ、なんて
こうやって、若い人たちに教えてもらわなくちゃ、
もう生きていけないのかなあ、なんて淋しくなっちゃって
私はね、社会的弱者をすでに経験済みだからね
ショックは少ないよ
まず、女で生まれたし、妊婦が弱かったでしょ、子連れが弱者でしょ、
そのあと、子供がいろんな問題持ってて、堂々と生きては来てないわけよ
不登校、トランスジェンダー、ゲイ
これらが問題だとは言いたくないけど
まあ、マイノリティだもんね
でも、男の人は違うよね
特に今のおじさん、お爺さんたちはつよつよだったじゃない?
ずっと威張ってて、頑張ってて、ついてこい!って言ってたもん
この人たちが、急に、はい、定年です、はい、高齢者です、
はい、お荷物です、老害です、あなたは社会的弱者です
って言われることのツラさったらないと思わない?
だからよね、平日の公園で、少し休憩しようと思っても、
空いてないのよ、ベンチが
全部、お爺さんでうまってるの
やることも、友達もないんだよ、多分
そこで、私たち、おばさん、おばあさんの出番だと思うわけ
一緒に何かしてあげようよ、って思う
友達とお茶する方が楽しいのは知ってるけど、
でも、たまには旦那さんとお茶すればいいんじゃない?
どこかに行こうって誘ってみたらいいと思う
ベンチのお爺さん、全員を誘うことはできないけれど、
自分の身近なおじさんとかお爺さん、一人ずつでいいんじゃない?
急に弱者になって、かわいそうで見ていられないよ
淋しいけど、弱者になると分かることがたくさんある
弱者パイセンとして、女性が手を差し伸べられることもある
そして、若い人にバトンを渡して、優しい人になりたいなと思いました
麻辣湯はとっても美味しかった
次は蒟蒻麺の胡麻薬膳スープにしようかな