街の洋品店はまだ早い
いったいどこで洋服を買えばいいんだ?!
50歳を過ぎてからずっとそう思っている。
頼りにしていた大手のセレクトショップは一緒に歳をとってくれなかった。
いつのまにか、私だけが卒業する歳になっていたみたい。
こじんまりしたセレクトショップにも素敵な店がある。
二子玉川の高島屋にあるイタリアブランドを多く置いているセレクトショップや、品川駅の駅ビルのセレクトショップも素敵だった。
ただ、結構高いので買えてもたまに1着かなあ。
小さな洋品店て、どの街にも必ずあるじゃないですか。
60~70代くらいの女性がターゲットかしら?
値段は手ごろそうだけど、ちょっと派手なのよね。
生地も薄い感じだし。
まだ早いかな、って思う。
ディノスのDAMAとかも素敵かな、って思うけど、買おうってあんまりならない。正直なコメントが載っていて、読んでしまうと購入まで至らないというか。
数少なくなった大人のファッション雑誌などからいくつかのブランドを探し当てては、オンラインショップをのぞいたり、たまには街にでかけて試着をしたり。
デザイナーの方が大人で素敵だと、作る洋服も大人で素敵だということも発見した。
そんな素敵なブランドの一つ、新宿伊勢丹のebureでスカートを試着して、お店の方に質問してみた。55歳なんですけど、いったいどこで洋服を買えばいいのでしょう?って。たぶん、知らんがな、と思ったと思うけどとても親切に教えてくれた。
「ひとつ上の階は大人の方のフロアになっています。
でも、お値段もそれなりです。」
たしかに、4階に日本のブランドはほとんどないかも。
シャネル、フェンディ、ジバンシィ。現実的ではないかな。
「3階ではお向かいの、イレーヴさんや、コラムさん、シクラスさんなどは大人の方も着られると思いますよ。でも、ここから向こうは違うと思います。」
店員さんは反対側の奥の方までサーっと指さした。
なるほど、違うんだ、たしかに若いわ。
おススメされたお店も、若い人にしか似合わないものもたくさんある。
中にはギリ、着られそうなものもあるでしょうって感じか?
まあ、結局さ、ここに行けば必ず自分の年齢にピッタリで、欲しいものが見つかって、おまけに予算にバッチリおさまる、なんて便利な店は無いのよ。
いつもアンテナ張って、足を使って探していなくちゃ。
そんな話を職場で、同い年のグループにしたら、
「ええっ、もう洋服には全く興味ない。どうでもいい。伊勢丹に行く元気はない。近所しか歩かない。」
と、全員に言われた。
なるほど、いくら日本人のおばさん率が高くても、洋服に興味がないなら、売れないわね。
それじゃいつまでたっても大人の素敵な洋服屋さんは増えないし、価格は上がる一方ってわけね。
だったら、
時間をかけて探して、高くてもお気に入りの一着を買って大切に着る。
やっぱりこれしかないんだね。
私は、ほんとに洋服が好きなんだなあって思ったって話よ。