会話型UXをデザインする上で大切な4つの基礎原理
こんにちは。ニューヨーク在住UXデザイナーのMikkeyです。今回は前学期に学んだConversational UX(コンバーセイショナルUX)という分野について書こうと思います。
Conversational UX とは直訳すると「会話型UX」と言い、その名の通りチャットボットやAlexaやGoogle Homeを例とするVUI(ボイス・ユーザーインターフェイス )など対話に基づいたインタラクションのUXのことを指します。
会話型UXの4つの基礎原理
この記事では私がプラット・インスティチュートのRebecca Evanhoe教授の授業で学んだConversational UXの4つの基礎原理について説明します。
1. Personality:ボットの性格を考える- チャットボットやVUIを作る上でまず考慮する必要があるのが、ボットの性格です。金融や医療系の分野で使用されるのであれば真面目な性格、子供向けのボットであるのであればフレンドリーな性格など、ボットがユーザーと関わる際にどのような口調が最適なのか、そのボットが使用されるシチュエーションや企業のブランディングを踏まえた上でボットの性格を設定します。
2. Dialog: 対話例を作成する- ボットに相応しい性格を設定した上で、次はボットの対話例をデザインします。具体的にはSample Script (サンプル・スクリプト)という、ボットとユーザーの具体的な対話の例を記載した、台本のようなものです。これを作ることで、ボットとユーザーの対話をより具体的にイメージすることができます。以下、サンプル・スクリプトの例になります。
3.Training Data:トレーニング・データの作成-サンプル・スクリプトを用いて対話をより具体的にした上で、ユーザーがボットに対して使用するであろう言葉や文章のバリエーションを考えていきます。例えばハンバーガーを注文する際に、「ハンバーガーが欲しい」または「ハンバーガーちょうだい」もしくは「ハンバーガーお願いします」など、人によって異なるフレーズを発するでしょう。ボットはそれらのフレーズのバリエーションを正確に認知する必要があります。これらのフレーズのバリエーションをトレーニング・データと呼び、チャットボットやVUIをデザインする上でボットに教える必要があります。
4. Flow Diagram: フロー・ダイアグラムをデザインする-次に、ユーザーの選択肢やボットの返答を可視化するために以下の様なフローチャートを作成します。フローチャートを作成することで会話のやり取りを整理します。
以上が会話型UXをデザインする上で大切な4つの原理になります。同じUXの分野であっても、ウェブサイトやアプリなどの画面のデザインを元としたGUI(グラフィック・インターフェイス)とはかなりデザインのプロセスが異なるということを学びました。次回はこの4つの原理を使用してどのようにプロトタイプを作成するのか、実際に私が作った例を使いながら紹介していこうと思います。質問やコメントなどしてもらえると嬉しいです!