洗剤を詰め替えることができたので、すこし誇らしくなった
家では、ここ10年、洗濯担当大臣を拝命している。サボってると更迭の危機を招くこともあるが、概ね、任務を遂行できている。とはいえ、全自動の洗濯乾燥機なので、それほど重たい任務ではない。
ほぼ毎夜、だいたい深夜に、洗濯乾燥をセットする。ナイトモードで明け方に仕上がるようにタイマー調整をしている。もともとしっかりめの住居ではあるが、騒音対策に、ゴム足を履かせている。
ところで、うちの洗剤は「スーパーナノックス」だ。たまに他の銘柄を試すことがあるが、一度も心が揺らいだことがない。Amazonを検索したら6年半、ずっと同じ銘柄を使っていることがわかった。
たしか洗濯乾燥機を導入したのがこの時期で、ちょうど試供品かなんかで、ひと袋ぶんをもらっていたスーパーナノックスを試したところ、部屋干しだろうが関係なくズバーンと洗い上げてくれることが判明し、贔屓にしている。
先ほどの購入履歴で示したように、圧倒的信頼感から、ほどなくして、4キロの業務用サイズの購入へと至った。ふだんはこういう大サイズのボトルに詰め替えている。
小サイズにいちいち詰め替えていたときを思えば、この大サイズが出てくれたことはとてもありがたかった。詰め替えの回数が減るからだ。
思えば、誰もが洗剤を詰め替える人生を生きていると思う。粉タイプの液体タイプも、キューブ型の方ももれなく、買い替えるか詰め替えて人生を送っていることと推察する。
時に、手元のボトルの残り量が少なくなっていることを知りながら、大きい詰替えを棚から引っ張り出して補充するのが面倒で、見てみぬふりをして、明日の自分へパスしてしまうことがある。
気づいたときに詰め替えてしまえばいいのに、つい先送りにしてしまう。洗剤だけではない、きれそうなティッシュ、なくなりそうなペットボトルの飲み物、芯が見えてきたサランラップ、あと1束分しか残ってないパスタ。
あらゆる消耗品が、なくなりそうと気づいたその瞬間にメモをとり、あるいはネット通販のカートにすかさずぶちこめる人は人生うまくいっているに違いない。人生を成功させる才能に溢れている人の振る舞いだ。
🛒🛒
凡人の私はそうは行かず、利用量にムラがあるなどと言い訳をし、定期お得便などに切り替えることをよしとせず、じわじわと損をし、ぎりぎりのところで発注する、あるいは仕事の帰りにマツキヨなどで調達することになる。
でもせめて、今日は見ぬふりをやめ、洗剤を詰め替えることができた。業務用の容れ物からボトルへと、とくとく流し込んでいる束の間、すこーーーしだけ誇らしい気持ちになり、たったそれだけのことで、明日からの1週間をすこし頑張れそうな気がしてきた。
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