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Generative AIが作る新しい市場
(本メールは、弊社が2023年2月に送信したニュースレターの転載となります)
ChatGPT、Stable DiffusionといったGenerative AI を試された方は、これらのプロダクトが出力するテキストや画像の精度に驚かれたと思います。(私もその一人です😅)Chat GPTは、GPT-3.5をベースに開発されていますが、次のバージョンのGPT-4はさらにパワフルになると噂されています。これらGenerative AIの多くは、TransformerというGoogleとトロント大学のメンバーによって、2017年に発表されたモデルを利用しており、Transformerを使うとことによって、例えば文章のコンテクストをより正確にコンピューターへ理解させることができます。Transforerは、言語処理、画像処理、映像内の物体認識に加えて、バイオロジー/科学分野でも活用が始まっています。バイオ系では、タンパク質の構造を正確に予測するDeepmindのAlphaFold2が有名ですね。弊社投資先Syntegraも、Transformerを利用して電子カルテの合成データを生成しています。
Transformerは、ディープラーニングに続く大きなテクノロジーブレークスルーと位置付けられており、OpenAIをはじめ、Google、FacebookもTransformerを利用したGenerative AIの開発を積極的に行っています。Transformerは、従来よりも大規模なデータを使った教育を行なって精度を高めることが可能なため、ChatGPTのような大規模言語モデルの構築が可能となっています。一方、大規模なモデルは、GPUパワーを大量に消費するため資金が必要となります。マイクロソフトがChatGPTを開発したOpenAIに対して追加で100億ドル(1.3兆円)の追加出資を行うのもうなずけます。
大規模Generative AIの開発は、パワープレイへと突入た一方で、これらの新しいAIプラットフォームを活用したプロダクトの開発も進んでいます。例えば、Jasperは、OpenAIが開発したGPT-3.5を利用してブログなどのコンテンツ作成を支援するツールを提供しています。また、先に紹介したSyntegraは、Transformerモデルを特定の用途に応用した良い事例です。そして、Generative AIは、これから新しい市場を作っていく可能性も秘めています。
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上の画像は、私が、Stable Diffusionで 'A man typing commands on his computer to AI by Hokusai'と入力して出力された画像の1つですが、とてもいいできとは言えません。。 Generative AIの出力は、入力データ(プロンプト)でコントロールでき、この作業はプロンプトエンジニアリングと呼ばれていてます。面白いプロンプトやAIに最高の出力をしてもらうためには、発想と表現方法におけるコツが必要となりますが、それらが必要な人向けにPromptBaseは、プロンプトを売買できるマーケットプレイスを運営しています。Transformerが言語や画像だけではなく、バイオを含めて様々な分野での応用が今後進めば、プロンプトエンジニアリングの達人が活躍する世界が広がるかもしれません。
2022年は、Transformerを使ったGenerative AIサービスが注目を集めました。今後のGenerative AIと周辺のエコシステムの進化、そして何がキラーアプリになっていくのか注目していきます!