CO2を出さずに作れるセメント👍
サンフランシスコから車で30分くらいにあるオークランド市拠点のBrimstoneという会社が$55Mを調達しました!Brimstoneの技術を使うと、なんと二酸化炭素を出さずにセメントを製造することができます!
かなりインパクトのあるスタートアップだと感じましたのでNoteを書きます!
ビル・ゲイツ氏の著書「地球の未来のため僕が決断したこと 気候大災害は防げる」によりますと、セメントを製造すると、セメントと同量の二酸化炭素が発生します。世界で年間40億トンのセメントが作られているので、二酸化炭素40億トン!!(世界の年間二酸化炭素発生量のおよそ8%に相当)が発生しています。
セメントをつくには石灰石を高温で熱して、酸化カルシウムを取り出しますが、その時に二酸化炭素が出てしまい、ゲイツ氏もこれは化学反応であって避けることができない現象で、製造プロセスにおける根本的な発明が必要であると訴えています。
今回は、そのゲイツ氏が地球温暖化をゼロにするために立ち上げた投資会社 Breakthrough Energy (ブレイクスルー エナジー)とシリコンバレーのVC DCVCが中心となってBrimstoneへの投資が実行されました。ゲイツ氏からするとやっと見つけた!という感じだと思います。
こちらのCNBCの記事によりますと、Brimstoneのメリットは:
石灰石の代わりにケイ酸カルシウム岩石を粉砕後、浸出液を使ってカルシウムを抜き取ります。同社によりますとケイ酸カルシウムは地殻の約50%を占め、非常に一般的で安く調達できます。
現在一般的に利用されているポルトランドセメントが作られる。つまり、Brimstoneのセメントで作られたコンクリートを利用する際、これまでと違った設計、工法、現場作業を必要としません。
価格がこれまでのセメントと同じか、安くで提供できる。これは、ファウンダーが昔環境に優しいトイレを作った時に得た教訓で、値段が安くないと環境にいいというだけの理由では広く使ってもらうことはできません。
製造工程で、コンクリートを作るときに一緒に混ぜる物質もできたり、二酸化炭素を吸収してくれる数種類のマグネシウムも生成します。
これまでの方法を変えずに、同じ価格で二酸化炭素フリーのセメントを使えるとしたら、、、僕らの知らないうちにセメント製造時に発生する二酸化炭素問題、年間40億トンは解決されているかもしれませんね!
Brimstoneは、今回調達した資金を使って量産の体制を整え、2023年から製造を開始する計画です!
そういえば、クライナーパーキンスのジョン・ドア氏と奥様がスタンフォード大学に$1.1Bの寄付を行い気候変動とサステイナビリティにフォーカスしたStanford Doerr School of Sustainabilityを創設しましたね。New York Timesの記事の中で、ドア氏は、「気候とサステイナビリティは新しいコンピューターサイエンスになる。これは、若い人たちえば人生をかけて取り組みたいことだ」と語っています。コンピューターサイエンスと同じくらい気候・サステイナビリティが社会のインフラ的な位置づけになっていく未来、それらくらいのスケールで捉えていかないと地球温暖化は止められないということだと思います。
シリコンバレーでは、今後サステイナビリティ関連スタートアップの起業ノウハウが高速蓄積・共有され、そこからあっと驚くようなスタートアップが数多く出てきそうです(汗)