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出前講演会のお話PART2

8月中旬、多治見市旭ヶ丘公民館で2回目の講演をさせて頂きました。今回のテーマは「子供の足と靴」です。子どもさん連れのご家族に熱心に聴いていただき、子どもさんそして親さんの足の悩み等いろいろなご質問もいただきました。

1.子どもの足と大人の足の違いー「化骨」
2.ひ弱になった子どもの足と合わない靴による足の病変
3.足に合った靴選びのポイント

1.子どもの足と大人の足の違い

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足を構成する大人の足の骨の数は片足に28個あります。しかし、「子ども」の足は成長途上で新生児期(生後4週まで)乳児期(満1歳まで)にはそれだけの骨は存在しません。実は「軟骨」と呼ばれる骨に成長する手前の状態です。栄養を摂り適度な運動を繰り返すことで軟骨は「骨」へと成長していきます。この骨になるまでの過程を「化骨(かこつ)」といいます。幼児期(満6歳まで)に骨同士が正しい位置でかみ合い関節が構成されるとしっかりした土踏まずが形成され俊敏性・瞬発力に富む足へと成長し概ね18歳前後に大人の足として完成します。

2.ひ弱な子どもの足と合わない靴による足の病変

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1960年代前後と比べると近年の子どもの足を取り巻く環境は激変しました。自動車の普及による移動時間の増加、屋内でのゲーム機遊び等、足を鍛える機会が減ることで土踏まずを形成する機会が大幅に減ってきました。さらに足の成長の度合いを考えないサイズやデザインの靴を履くことで足の病変が目立つようになりました。例えばー
①外反母趾:母趾が小趾(小指)側に曲がっていく。靴を履くと母趾のつけ根に痛みを覚える。
②内反小趾:小趾が母趾側に曲がる。接地しにくく正しい歩行を促せない。
③ハンマートウ:趾(ゆび)先が上方向に「くの字」に曲がる。靴の天井にこすれて痛い。
④タコ・ウオノメ:趾の側面、趾と趾の間にできやすい。疼痛や針で突いたような激しい痛みで歩くことが困難になることもある。
⑤偏平足:足が疲れやすい。足の裏に痛みが出る。ひざや腰に負担がかかりやすくなる。
これらをはじめ大人の足にしか見られなかったトラブルがじわじわと子どもの足に出ています。

3.足に合った靴選びのポイント

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①子どもの足は成長していきますので、つま先部に「成長余裕」が必要です。実際の足長(足のタテの長さ)に対して新生児期から乳児期(満1歳まで)で7㎜前後、幼児期(満6歳まで)で10㎜前後、学童期(満12歳まで)~思春期(15歳前後)で10~15㎜をとります。ただし、あくまでも概ねの目安です。
②足首の関節部も隙間が大きく固まっていません。かかと周りのしっかり作られている靴を選び足首関節を守りましょう。(乳児期は歩くことがまずありません。室内ならフエルト素材のような全体に柔らかい素材で足を包みこんであげましょう)
③つま先部が足趾を圧迫しない形をしている靴を選ぶ。ヒトの足はかかとからつま先にむかって扇状に広がっています。子どもの足はそれがより顕著にみられます。幅だけでなく、趾先を圧迫しないシルエットの靴を選びましょう。
④趾の屈曲部の返りがいいこと。歩く際、趾のつけ根部で踏み込んで地面を蹴りだします。この部分が固い靴底は蹴りだしがうまくできなかったりつまずきの原因になります。
⑤クッション性にとんだ靴底の靴を選ぶ。固いコンクリート面は足の裏に大きな衝撃を与えます。衝撃緩和のため適度な厚みとクッション性のある靴を選びましょう。
⑥足がしっかり留まるデザインの靴を選ぶ。足をストンと入れるデザインの靴は脱ぎ履きが楽ですが、靴の中で足が前後左右に動いてしまいます。足趾に余計な力が入り「靴に合わせた歩き方」になり、足の成長だけでなくひざや腰など体全体に悪い影響が出やすくなります。マジックベルトやひも付きの足がしっかり固定できるデザインを選びましょう。
⑦汗の吸排出に富んだ素材の靴を選ぶ。大人も子どもも足裏に汗を排出する「汗腺」があります。汗腺の数はどちらもほぼ同数ですが、面積の小さい子どもの足は汗腺がより密集しているので靴内に汗がたまりやすく衛生面での配慮が必要です。甲周りがメッシュタイプの靴や中敷きが取り外せて適宜洗えるタイプがお勧めです。

靴には正しい履き方があります。靴に足を入れたら足のかかを靴のかかとに床で「トントン」と合わせます。それからヒモやベルトで足をしっかり固定しましょう。足が上がると靴も一緒についてくるので軽く感じつまずきにくくなりますので是非身につけましょう。
また、足の成長は性差や年齢など個人差によって異なります。足に合った靴を選ぶために乳幼児期なら3~4か月、学童期以降では最低6か月に1回は足のサイズを測り成長具合をチェックしてあげましょう。

子ども靴の正しい履き方動画

このブログは岐阜県の「三喜屋靴店」代表、上級シューフィッターの宮木良朗が投稿しました。お子さんが健康に成長していくためには足に合った靴を履くことはとても大切なことです。まずは大人の皆さんが子どもの足のことをよく理解し、自分自身の足と靴の関係も見直してみましょう。三喜屋では外反母趾をはじめ足の痛みを軽減して少しでも快適に歩くための靴選びのお手伝いをしています。詳しく知りたい方は下の案内からHPをご覧ください。ご家族が心地よい靴で生活できる毎日を応援します。



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