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70歳のアルバイトが輝ける場所
「福祉増進と職員負担軽減との両立をめざす」というテーマで発信している、みきやと申します。関西在住の地方公務員で、2027年4月の統一地方選で地元の市会議員になり、地場産業を取り戻すことをめざしています。
現在私が勤務している職場に70歳のアルバイトさんがお越しになられているのですが、つい最近「ここならこの人が輝けるかも!」と思いついた話をしたいと思います。
70歳のアルバイトさんについて
どんな人?
その方は以前も一緒にお仕事させていただいたのですが、明るい方でいつもニコニコしています。人当たりも良くて、私との相性もすごくよく、いつも助けてもらっています。
また、これまで公共部門でのアルバイト経験が豊富なので、役所でのアルバイトにも慣れていらっしゃいます。役所ってこういう方々に支えられている部分が結構あります。
あと、私が個人的に好きなのはこのかたの声です。低くてよく通る声なのと、年齢もあってゆっくり話されるので、聞いていて安心感のある声です。
年齢ゆえのハンデも
ただ、70歳という年令によるハンデもあります。長時間の勤務はしんどいので1日の稼働時間は6時間を希望されていたり、聴覚に少しハンデがあるため電話や窓口での対応は難しいといったことなど。
また、今どき珍しい「かな入力」ユーザーなので、その方がうっかりキーボード設定を解除していないと、その後に私がキーボードを叩くと謎の呪文を書いてしまうことも。
そんなおちゃめなところもありますが、いつも元気に働いてくださっています。
70歳アルバイトさんが輝ける場所とは
オンライン申請について
さてこのアルバイトさんが輝ける場所についてですが、その前に私がこの間実践しているオンライン申請について説明させてください。
昨年11月、私は重度障害者日常生活用具の更新業務にオンライン申請を導入しました。
実はこのオンライン申請、事前に全く何ら告知をすることなく実施したものだったのです(反省)。紙の申請書と返信用封筒は前例どおり同封したので、これまでどおりの手続きをしたい方には特段のデメリットはないものとなっていました。
ただ、将来的には100%オンライン申請にしたいと考えています。件数的にそれほど多いわけではないのですが、申請書類が一斉に返ってくるし、窓口に持ってくる人もいて窓口が混雑するわで、業務上余計な負担が発生しているような状況です。
そういった事情を踏まえてオンライン化をめざしています。ただ、福祉の世界はなかなかアナログが浸透していて、オンライン申請も可能になったという情報を入れただけで「オンラインなんて無理!」とわざわざクレームを入れてくる猛者もいる世界。
だからといってオンライン化推進をやめるわけはないのですが、こういった声を意識しつつオンライン化を進めたいと思っています。
こういったクレームを入れてくる方の心理なのですが、最近感じているのは、実はこれ、高齢者にとって自分が取り残されていくという不安の裏返しなのではないかということ。それならその不安を解消できる施策であれば受けるかもしれません。
実はここに70歳のアルバイトさんが輝ける世界があるのではないかと感じているのです。
70歳のアルバイトが輝ける場所
今はまだアイデアの段階ですが、オンラインシステムに登録してログインするまでを個別に教える場を作れないかと考えています。
キングコングの西野さんもよくおっしゃっていますが、オンラインの世界で重要なのは「ログインを増やすこと」。行政の世界も同じで、とにかくオンラインシステムに新規登録・ログインしてもらわないことには、オンラインの利便性を実感してもらえません。
この新規登録・ログインをひとりひとりに丁寧に教えていくという業務を推進しようと考えているわけです。
非常に手間のかかることではあるのですが、「鬼時短」の教えである「時短のプロセスを時短してはいけない」を体現しています。
そしてこの、「個別にログイン&新規登録をお手伝いする」のに70歳のアルバイトの方がピッタリとハマるのではないかとひらめきました!
重度障がい者日常生活用具の利用者は高齢の方が多いです。高齢者の方にとっては、自分の子どもくらいの年代の職員にログインの仕方を教えてもらうのは、人によってはプライドが許さないのではないか(特に男性)。
でも自分たちと同じような年代の方に「私もここがよく分からなかったんですよ〜」とか言いながら教えてもらうようにすれば、案外スムーズに受け入れてもらえるのではないか。
おまけに低くてよく通る、安心感のある声(伏線回収)!御本人は窓口に苦手意識を持っていらっしゃいますが、対応する業務が一つしかないので、受けてくださるかも!
こんなことを思ったわけです。まだ何も実現してはいませんが、もしも実現すればオンライン✕高齢者という新たな活躍の場が生まれてくる可能性もあり、なんとか実現できないかなとワクワクしています。
まとめ
以上のとおり、70歳のアルバイトが活躍できる場について書いてみました。おさらいすると、
福祉の世界でオンライン申請がどんどん進む
高齢者は取り残される不安を感じている
その不安を解消するために70歳のアルバイトを活用する
といった感じです。実現するためには上司を突破しないといけませんが、オンライン施策の推進については職場で信頼を勝ち取っているので、ぜひともこのアイデアも形にしていきたいと思っています。
うまく進めば改めて報告させていただきます。