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恋の終わる日 1

昨日長い恋を終わらせた。
このノートはその記録。

数ヶ月前からこのまま彼の元に通うのがキツくなっていた。
彼は同い年で妻子がいる。
去年の冬に道内でも雪深い街に単身赴任になった。

もう8年ほどの付き合いになる。
いわゆるW不倫という感じだった。
私が夫バレして離婚したが、3ヶ月待って不倫相手の彼と復縁した。

彼は背の高い優しい男だがケチではあった。
それでも慕うほど可愛さとユーモアがあって会うだけで心が解きほぐされる気がした。

復縁してすぐに彼が道内のある港町へ単身赴任になった。
泣いたが案外一緒に寝泊まり出来る時間が増えて好都合だった。
大雪で停電して大急ぎで札幌に戻ったり、大震災の影響で鉄道が止まり行けなくなったりと話題がたくさんでそれは楽しい時間だった。

とはいえ、彼と私では収入が違う。
彼は会社では中堅クラスの技術者で持ち家もある。
かたや私といえば精神的に弱くうつ病患者であり仕事につけないため生活保護で生活している。

だが彼は私がいる時の食費は土日を除きほとんど出してはくれなかった。
こちらは数日滞在するのだからと遠慮して言わなかったけれど。
本当に辛かった。
月10万円の中から彼に逢いにいく交通費と実家に戻る交通費それらを除いて電話代や家賃そんなものがかかる訳で。
9年目の関係の中で去年初めて渡してくれた金額が2人合わせて1000円!!!!!
ほう、そうですかとしかもはや思えなかった。

けれどもよくやったと思う。
きっと彼はこれで済む安い女としか見てはいなかっただろうけれど涙を心の奥に隠して自分なりに尽くしてきた。

続く

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石井はっ花
各地をお散歩して歩いでいます 小説家未満 自分の文体をきちんと向き合って作っていこうと思っています。