Mikito Ogino / 荻野幹人
脳波でロボットを操作する技術、ブレイン・マシン・インタフェースの研究者が、この技術の開発に必要な知識をなるべく一般向けに分かりやすく解説していきます。
脳波を用いれば「考えただけで物が動く」、「相手の考えている事が読み取れる」 脳波やニューロサイエンスとはそういった夢のある技術です。 しかしながら、我々が未だに脳波を用いたデバイスを手にしていないのは、そこに限界があるからです。 ただし、少なからず脳波を用いた製品やイベントでの利用例があり、我々を少しだけワクワクさせてくれる事例は存在しています。 今回の記事では、こういった脳波をエンターテイメントに利用する際の課題と限界について解説したいと思います。 脳波のエンター
ニューロマーケティング、ニューロフィードバッグ、ブレイン・マシン・インタフェースといったニューロサイエンスを元にした技術が近年注目を集めています。 これらのブレインテックをビジネスに応用する動きも各所で始まっています。 本記事では広告代理店で研究員としてニューロマーケティングに携わり、大学でニューロサイエンスの研究をしてきた筆者が、ブレインテックのビジネスへの応用方法について解説します。 脳波はどんな事に使えるか?脳波は脳の活動を頭皮上に設置した電極から読み取る方法です
私が研究しているブレイン・コンピュータ・インタフェース(BCI)は、脳活動を読み取って、意思伝達をしたり、ロボットを動かしたりする技術です。 BCIが人の意思を読み取るには、計測した脳活動に意味を付与する必要があります。 例えば、この脳波は右手を考えている時、この脳波は左手を考えている時、等。 この記事では、研究者がどのように脳波に意味を付けて、どのようにそれらを分類しているのかについて解説します。 脳波に意味を付ける「ラベル付け」AIでも使われる「ラベル付け」という
私が研究をしているブレイン・コンピュータ・インタフェース(BCIやBMIと呼びます)は頭で考えるだけでコンピュータを操作できる技術です。 BCIは意思疎通が困難な難病患者の方に向けた開発が進んでいます。 中でも筋萎縮性側索硬化症(ALS)と呼ばれる病気は意思伝達が完全に困難になってしまうことから、一刻も早いBCIの技術の実用化が求められています。 本記事では神経難病であるALSや、それに打ち勝つためのBCI研究の現状について解説したいと思います。理想と現実のギャップについ
前回までの記事で脳波について、ブレイン・マシン・インタフェースについて説明してきました。 ではこういった脳波解析に使われている数学はどういったものでしょうか? 今回の記事では高校生でも知っている数学が脳波解析にどのように使用されているかについて解説します。 将来脳科学に携わりたい、ブレイン・マシン・インタフェースのような研究に興味があるという方は参考にしてみてください。 予測不可能な脳波を扱う「統計」我々の脳というのは当たり前ですが完全には解明されていません。 世界中
脳波を読み取り機械を操作する技術であるブレイン・マシン・インタフェース(Brain Machine Interface: BMI) 考えただけでロボットが動く技術の研究が、今進められています。 イーロン・マスクが創設したneuralinkが一定の成果を挙げるなど、最近、BMIを使った機械操作技術が注目されていますが、そのBMIはどのように実現されているのでしょうか? 脳波を測定し、それを機械が理解できるデータに変換する方法や、脳波を利用して機械を操作するための仕組みにつ
脳波ってなんだろう? 脳波って聞いたことはあるけれど、どういった測定方法なの? MRIとの違いはなんなの? 本記事では実際に脳波を研究に使用している著者が、一般向けにその特徴や実際の応用例などを解説します。 脳波とニューロン脳波について知るには、我々の脳が何によって活動しているかを知る必要があります。 我々人間が高度な考えや行動を持つために形成された脳。 実は脳には「神経細胞」または「ニューロン」と呼ばれる細胞が1000億個も存在しています。 そして、1000億個