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他愛のない妄想がAIでビジュアル化されたら本気でやりたくなった話

(久々のnoteです。休日に書いたのでエッセー風に。)

週末、PCを持って馴染みのブックカフェへ。
昭和の駄菓子屋のような雰囲気のカフェで、空想好きの店長が選んだ偏ったジャンルの本が並んでいる。藤子不二雄全集、哲学書、世界文学、さくらももこのエッセー……。思わず手に取りたくなる本ばかりだが、今日は読書じゃない。集中して作業するぞ!と意気込んで店に入った。

ガラスの扉を開けると、今日は珍しくお客さんが誰もいない。

「いらっしゃいませー!」
店長が顔を出したので「今日、誰もいませんね?」と声をかけると、少しバツが悪そうに「たまーに、こういう日もあるんですよ」と微笑む。

「ふしぎですね。実は、この近くで私たちの知らない楽しげなイベントがあって、みんなそっちに行ってるんですかね?」
冗談半分でそう言ってみると、店長の目がきらりと光った。

「あはははは!それは『バレンタイン神輿』とかですかね!みんなで楽しんでるのかなあ。」

バレンタイン神輿!?そのフレーズに、思わず吹き出しそうになった。

私の頭の中に妄想が広がる――
真っ赤なハート型のオブジェが乗った神輿を担いだ女性たちが、「I love you!I love you!」と掛け声をかけながら街中を練り歩く様子が浮かんでくる。チョコをばらまき、甘い香りが町中を包む……。

おもしろすぎる。

私の頭の中のイメージを生成AIで画像化して店長にシェアしたくなり、早速、PCを立ち上げる。Canvaの画像生成機能に「バレンタイン神輿」と入力してみる。

数秒後――画面いっぱいに、赤やピンクのカラフルな神輿が現れた。それは私の妄想を軽く超えるほどの楽しいビジュアルだった。

数秒でこんなイラストが


中でもこれが秀逸 神輿というより山車だけど

そこに店長が水を持ってやってきたので画面を見せた。

「これ、これ!私の頭の中の妄想、今こんな感じです!」

店長は一瞬動きを止め、目を見開いてこう言った。

「いやあ、これは本当に楽しそうですね!バレンタイン神輿、いつか実現したいです!」

実現したい?!そういえば、このカフェ、店長主催の不思議系イベントを時々やっているんだった。さすが店長。

私は苦笑いしながら、「じゃあさっきの画像、インスタのDMで送りますね」と伝えた。数時間後、店長から「いつか本当にやりたいです!」という返事まできた。やる気かよ。

冗談半分の会話から始まったこの出来事。今でも思い出すと笑ってしまうのだが、ここには意外なヒントが詰まっている。

アイディアを生み、実現に向かうためのプロセス

  1. 一見くだらない意見もバカにせず、乗っかる気持ちを持つ

  2. ノリで思いついたどんなアイデアを口に出す

  3. おもしろいと思ったら生成AIでイメージを視覚化する

  4. 視覚化されたイメージをもとにさらにブラッシュアップしていく

  5. 本気で実現したくなるまで続ける

実は私の研修でも、未来の姿をイラスト化して共有しあうことがある。言葉だけでは伝えきれないビジョンを、絵にすると驚くほど方向性が明確になるのだ。これまでは手描きで描いたり、画像検索で素材を集めていたけど、AI画像生成を取り入れるともっとスピーディーにイメージが膨らんで、「これ本当に実現したい!」という気持ちになるかも知れない。

そんなことを思った、不思議なブックカフェでの出来事だった。



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