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【観戦記】【神戸S】この日は勝ちたかった、でも~第4節 神戸S vs. 東京SG(その2 試合内容)
第4節はホームで東京サントリーサンゴリアス(東京SG)を迎えました。激しいフィジカルバトルとなったこの試合では 39-19 で東京SGが制しました。
試合の見どころ
試合前時点で勝ち数が並び、得失点4点差で競っている東京SG。
得失点差は小さいが神戸Sのほうが得点が多く失点も多い。前節で気になったミスからの失点を減らすことができるか?が課題となりそうです。
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神戸Sは、前節でHIA(脳震盪の疑い)となった橋本皓キャプテンを欠くメンバー構成となりました。ゲーム・キャプテンは今季加入した南アフリカ代表クッツェー選手が務めます。さらに前日にインフルエンザ(試合後のインタビューで発表)に起因するメンバー交代がありました。前日に先発が入れ替わり準備が整わない状況での試合となりました。
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注目はHO北出選手。負傷で開幕から出遅れたことで、初キャップが古巣である東京SGになりました。神戸Sでの初キャップを迎える気合は十分です。
https://twitter.com/kobe_steelers/status/1614076580057485312?s=20&t=n2VA71yaAEboPDTSJJFH0A
対する東京SGは、今季開幕戦でクボタスピアーズ船橋・東京ベイに敗戦したもののその後は2連勝しています。前節は神戸Sが開幕戦で敗れた横浜キヤノンイーグルスに勝利しています。メンバーは前節から1/3程度変更、前節の危険なプレーで3出場停止中のクルーデン選手に代わり、SOは森谷選手が務めます。リザーブを含めたメンバー23人にカテゴリーC(日本以外で協会代表経験がある選手)がいない和製チームで挑みます。ゲームキャプテンは、3シーズン目を迎え、今や東京SGでも日本代表でもなくてはならない存在となったSH斎藤選手です。
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個人的な注目はリザーブ23番の河瀬選手です。早稲田大学で1年生からレギュラーを務めた大学ラグビー界のスターが入団2シーズン目で初キャップを迎えます。
https://twitter.com/sungoliath/status/1613408053033828354?s=20&t=n2VA71yaAEboPDTSJJFH0A
試合展開
試合状況は公式リポートなどを参照いただくとして、ここでは神戸Sファン120%(東京SGも推しがいるよ!)目線で記録します。
(後からJSportsで見返した情報や発見を多く含みます)
この日のレフリーは、トヨタVでSHとして活躍した滑川レフリーです。自分がリーグワンでの選手だったことから、選手の気持ちや試合の間合いのわかるレフリーです。多くの選手にとって先輩だったり一緒にやってきたプレーヤーなので、コミュニケーションも遠慮がなく速い。好きなレフリーです。足のテーピングに、かつて選手だった名残や試合への本気度を感じます。
東京SGのキックオフで試合開始、さっそくサントリーのスピードアタックが始まった。神戸Sは必死にタックルをするが左右への展開を止めきれません。
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前半4分に自陣内での反則から東京SGがPGを決めて先制点を取る。神戸Sも負けていない。神戸らしいFWとBKが一体となり短いパス連携で東京SG陣内に入ります。
前半7分のファーストスクラムでも押し負けてない、いいぞ!!
さらなる攻撃から相手のミスを誘い、前半8分にSO李選手のPGで同点に追いつく。(この後、この試合のほとんどの得点はPGです。)
その後も前半10分台は神戸Sが攻撃をする時間帯が続く。しかし、パス連携のミスやラインアウト失敗など肝心なところで相手にボールを渡してしまう。あ~~~~ つい、ため息がこぼれる。
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前半の折り返しくらいから東京SGの猛攻が始まった。前半26分には東京SGがラインアウトからモールを形成、神戸Sのディフェンスによってまっすぐには進まないものの、最後はBKの選手もモールに入り押し切ってHO中村選手がトライ。
神戸Sは攻撃するし、強いタックルで相手を止めるものの反則があってマイボールを続けられない時間が続く。前半31分、連係ミスからボールを奪われると東京SGが仕掛ける。LOホッキング選手をしとめるものの、手の長さを生かして神戸Sのディフェンスの合間からオフロードバスでCTB中村選手に渡す。CTB中村選手を3人で追いかけるが、並走してくるWTB尾崎選手へのパスルートも尾崎選手の走るルートも空いており、ゴールまでの動線を防ぎきれなかった。
前半35分、HO北出選手が足を負傷。負傷を乗り越えた初キャップかつ古巣との対決に意気込んでいただけに残念な交代となりました。
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前半を、6-17 で東京SGにリードされて折り返します。
後半開始は「弾丸ライナー」CTBラウマペ選手の負傷によりリトル選手が投入されると、いきなりタックルされながらのオフロードパスでラインブレイクします。かっこいいーーー(と購入したばかりのタオルマフラーを振りまくる)。神戸Sのアタックが相手の反則を誘い、PGで点差を詰めます。さらにPGで5点差まで詰め寄ります。
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後半52分には、東京SGの自陣内からのアタックをするPR垣永選手にLOカウリートゥイオティ選手がタックルに行こうとして激突。低い音がして会場がざわついた。ヘッドコンタクト(頭突き)で両者倒れますが、カウリートゥイオティ選手は立ち上がれません。タックルに行ったのはカウリートゥイオティ選手であり危険なプレーとして立ち上がれないまま、イエローカード(10分間の退場)となりました。大丈夫か?!次の試合も心配だよ!
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シンビン(10分間の退場、本来ならフィールド外のパイプ椅子に座る)だが、カウリートゥイオティ選手は担架で運ばれてフィールドを後にします。それに対して東京SG垣永選手がすぐに立ち上がりました。追突した場所によるのだと思うのですが、何事もなくたつ上がる様子に「さすが、カッキー」と声を上げました。
神戸Sが10分間を14人で戦う数的不利な中、直後の後半55分、神戸S陣内深くでの東京SGボールのラインアウトは、これまでのジャンプからは一転、近くで構えていたNo.8タタフ選手に渡すとゴールラインまでの間に構えていたSO李選手をなぎ倒してトライを決めました。タッチライン際からというむつかしい位置のキックもSO森谷選手がしっかり決めて6-17と突き放されます。
そして後半59分、東京SGは23番河瀬選手、22番プニヴァイ選手がついに登場。早稲田のころから応援していた河瀬選手にテンションが上がります。初キャップおめでとう!!
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ひきつづき東京SGの攻撃が続く中、後半65分でLOカウリートゥイオティ選手のシンビンが明け、代わってR小瀧選手がピッチに戻ることとなりました。合わせてFL今村選手に代わって、R前川選手が入ると会場がざわざわ….。長年トレードマークだったスキンヘッドからさわやかなスポーツ刈りに。「あれ誰?」→「前川じゃね?」→「髪が…」一時騒がしくなりました。
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15人に戻った神戸Sですが、苦しい状況は続きます。
後半69分、神戸S陣内ゴールライン前5mでの東京SGのラインアウトは、そのままモールを形成して前進します。必死にこらえる神戸Sですが押し込まれる中でPR中島選手がモール内でオフサイドを犯します。これにより、トライが阻害されたとして、中島選手にイエローカード(10分間の退場)が出るとともにペナルティトライとみなされました。
12-34と点数が開いても東京SGが止まりません。後半74分にはSO森亜選手がビックゲインで22mラインの内側に持ち込むと右に展開しながら前進します。CTB中の選手のロングパスがFB松島選手→WTB尾崎選手にわたりラッチライン際をゴールライン前まで上がると、最後は神戸S CTBラファエレ選手にタックルされながらも並走していた川瀬選手にボールを渡しそのままトライ。河瀬選手は、初キャップの初ボールタッチでトライを決めました。
さすがスター、何かを持ってます!おめでとう。
(先輩たちの”頭ポンポン”がかわいい)
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このままノートライで終わってしまうのか…. とわたしはあきらめかけましたが、神戸Sはあきらめていませんでした。後半78分、ゴールライン前でのラインアウトからモールでゴールラインまで達すると、モール最後尾からHO王選手が飛び込んできてトライを決めました。
やったーーーーーーー!!
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トライと同時に試合終了のホーンが鳴り響きました。タッチライン際のむつかしい角度でのキックをSO李選手がしっかりと決めて7点を取りました。
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後記(第4節を終えて)
神戸Sは2勝2敗。勝ち点で7位(カンファレンスB内では4位)となりました。シーズンの1/4しか終わってないと頭では理解しているが、それでも順位が半分より下になったことは気持ち的に辛い。
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◎ 得点 150点(12チーム中3位)
◎ トライ数 20(12チーム中2位)
花園Lに大勝した横浜Eが得点・トライ数を伸ばし順位を上げたものの、まだまだ上位をキープです。ただし、この試合ではトライは1つのみで得点のほとんどがPG(李選手が 4/5成功、トライは1つ)によるものでした。爆発的な攻撃力が魅力の神戸Sにとっては、あまり神戸Sらしさが見せられなかった第4節となりました。
▲ 失点 108点(12チーム中3位)
▲ 反則 50(12チーム中7位)
今回は39失点、また失点を伸ばしました。前節まではリードしていた得失点差も一桁まで落ち込みました。
4試合の平均失点は27点。試合を見ている印象では、いいところまで攻め込むものの、パス連携やセットプレーのズレなど肝心なところでミスが起きています。
順位を見ればそれほど多くは見えないですが、前節終了時点では「34」だったので、この試合だけで16個の反則があったということ。反則が異常に多いとは思わないし、東京SGの18個よりは少ないものの、反則を減らすことで失点を減らすことにつながると思うので、頑張ってほしい。
【Full Time】
— コベルコ神戸スティーラーズ (@kobe_steelers) January 14, 2023
試合終了 19-39|負|
熱いご声援ありがとうございました🔥
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《NEXT GAME》
NTT JAPAN RUGBY LEAGUE ONE 2022-23
第5節)~VISITOR~
⏰2023年1月21(土)14:30 KO
🆚クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
🏟江戸川区陸上競技場
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次はビジターゲーム vs.S東京ベイ
現在2位のクボタスピアーズ船橋・東京ベイ。開幕戦では、昨シーズンの準優勝・東京SGに勝利して勢いに乗っています。昨シーズンは1勝1敗と戦績は5分。得点力は負けてない、がんばれ神戸!
https://twitter.com/kobe_steelers/status/1613004874953945090?s=20&t=RA_RCx_fF2dwIBOEc8FQtQ
フォトギャラリー
見返すとタックルをしている写真が多い。いかに東京SGに攻撃され攻め込まれていたかがわかる。
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