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【観戦記】関東大学ラグビー対抗戦 帝京v早稲田 / 明治v慶應

関東大学ラグビー対抗戦も中盤。そろそろ各チームも立ち上がりつつある中で、後半の強豪同士の対戦に向かいます。

対戦カード

伝統校の3校(慶應・早稲田・明治)+強豪の帝京大学が1日で見ることができる「お得な日」です。また、これから始まる早明戦、早慶戦を占う大切な日程にもなります。

特に2試合めは、いわゆる慶明戦(または明慶戦)。対抗戦のスタイルになる前からある伝統的な定期戦の1つです。

1試合目は、過去に9連覇を果たしており、今年も調子がいい帝京大学と、昨年の大学選手権優勝チームである早稲田大学。

試合のチケットは発売開始1時間余りで完売した人気カードです。

試合前

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晴天の秩父宮ラグビー場。風もなくバックスタンドは温かな陽気です。

ひきつづき、新型コロナウイルス感染拡大防止に対応して、間引いた指定席(自由席も利用可能な座席が決まっている)です。11月からは利用できる席を固定した自由席の枠が増えました。またソーシャルディスタンスに配慮した座席間隔も、4席に1名から3席に1名となりました。そのため収容人数も増えているはず、です。

また、会場内バックスタンドの下のキッチンカー3台が復活しました。食べ物のバリエーションが増えました。

以下の施策は、開幕戦から変更ありません。

・再入場不可
・構内の自動販売機は使用不可(飲食物は固定の売店のみ)
・公式のメンバー表の配布廃止

第一試合 帝京大学 vs. 早稲田大学

ここまで対抗戦で全勝同士の対決。前評判では、「今年の帝京大学はとても調子がいい」と帝京大学が優勢です。

試合を開始して8分、相手のゴールライン10mのところでスクラムを組んだ早稲田大学は、早い展開で走りこんできたCTB平井選手にボールを回して一気にトライ。先制点を取ります。引き続き、前半13分には、帝京陣10mからのラインアウトを取った早稲田が横に展開、CTB長田選手が帝京のラインを突破して約30mの独走。ゴール前で捕まったものの、早稲田は早いフォローでボールを保持し、最後はFL村田選手がトライ。トライはもちろん美しいのですが、スクラムやラインアウトからの展開を見て「あれ、帝京・・・?」と前評判との違いに違和感を感じました。

その後は帝京の攻撃。18分にトライを取ると、その後の前半25分には早稲田のゴールライン近くの早稲田ボールのスクラムを、帝京が強い押しでボールを自分たちのものにすると、そのままゴールラインを越えたところでNo.8奥井選手が押さえてトライ。キックも決まって逆転します。

前半は両チームがさらに追加点を取り、19 - 19 の引き分けで折り返します。

後半は早稲田ペース。相手陣でフェーズを重ねて取り切るCTB長田選手、40m余りのランで相手を振り切ったWTB槇選手のトライ など、点を取るべき選手がとる展開です。FWで押し込むトライもあるなどパターンも多彩です。一方の帝京大学は、バックス(WTBやFBが)がボールを持って走るシーンが少なかったように思います。

最終的には、両チームとも得点を取りましたが、18点差で早稲田大学が勝利しました。

帝京大学 29 - 45 早稲田大学
(前半 19 - 19)             

第2試合 明治大学 vs. 慶応義塾大学

伝統の「慶明戦」。初戦で筑波大学に敗北している慶應義塾大学と、先週の試合で筑波大学に勝利している明治大学。昨年の対抗戦優勝の明治大学が圧勝するだろうというのが、試合前の大方の予想でした。


開始早々から、両チームとも攻撃しきれません。相手陣不可個まで攻め込むものの、ディフェンスが押さえて相手の反則を誘い、攻守が交代する展開です。慶應がPGで先制するものの、最初のトライは明治。前半13分に慶應が明治陣深くまで攻めてきたところで、慶応のパスを明治のSO斎藤選手がインターセプト。奪ったボールをロングキックで前線に進めると、ボールに追いついた明治がさらにキック、最後はインゴールに転がったボールをSO斎藤選手が押さえてトライを決めます。

7 - 3 で明治がリードして前半を折り返しました。

後半も引き続き、点が動きません。ようやく点が入ったのは後半も折り返しが近くなってきた16分。明治のゴールライン10mのところでの慶應のラインアウトで、しっかりボールを取ってそのままFWがトライ。慶應が逆転します。その後33分で、明治が自陣内のスクラムから出たボールをR(CTB)斎藤選手がロングランで前線にもっていくと、フォローで並走してきたR(WTB?FB?)髙比良選手に渡して、そのまま走りきってトライ。再度明治が勝ち越します。

後半の40分が経過し、このまま明治の勝利で終わるのかな・・・と思い始めたころ、慶應はまだ攻め続けます。明治陣でアドバンテージをもらった慶應はFB山田選手がドロップゴールを狙います。惜しくも外れるものの、アドバンテージでペナルティーゴールを選択した慶應、同じくFB山田選手がしっかり決めてロスタイムでの逆転劇となりました。

最終的には両チームで3トライ、トライ数の少ない慶應義塾大学がPGで得点を重ねて、手堅く辛勝した点数の勝利となりました。

明治大学 12 - 13 慶應義塾大学
(前半 7 - 3)              

(おすすめ) クボタスピアーズ岸岡選手の試合レビュー

昨年度、早稲田大学の正SOであり、現在はクボタスピアーズに所属する、岸岡選手が、レビューを書いています。ラグビー選手目線で見たレビューは、とても参考になります。ラグビーに精通していて、これだけ文章が書けるので、「私が観戦記を書かなくても・・・」と(自分のnoteが遅れた言い訳)

試合を終えて - なぜ、前評判は覆ったのか?

2試合とも前評判を覆す結果となりました。

試合を現地で観戦しているときには、帝京も明治もボールは動いているし、点もとれているけど… 力が出し切れていない、いまいち波に乗り切れていない、というのが印象でした。

なぜだろう、と考えたときに、両チームに共通することで1つ思い当たるのが、「今シーズン初めての秩父宮ラグビー場での試合」であること。芝や風の感じ、会場の雰囲気に慣れるために、少し時間が足りなかったのかもしれません。

あと・・・あえて言えば、試合展開に影響したかもしれないのは、レフリーの采配。ノットリリースザボール(タックルされてボールを離さない反則)が多かったように思います。肌感覚的には「とるの早くないか?」と何試合か見ている素人でもわかるレベルです。ボールが動いた方がラグビーは面白い、ということから、各国開催に変わったスーパーラグビーでも採用されています。世界のラグビー全体の傾向ではありますが、日本も変わるのか、と感じました。

「魂のタックル」と呼ばれる慶応大学の強いタックルと、タックル後の抑え込みは、新しい判定に会っているのかもしれません。

試合を終えて - 対抗戦後半に向けて

試合が終わり、対抗戦のトップは全勝している早稲田大学。そのあとを明治大学・帝京大学・慶應義塾大学が一敗で追いかけています。この4校間の直接対決が各二試合ずつ残っており、試合結果によっては、優勝が予想ができない混戦となっています。

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