そのサービスは商品か?それとも作品か?
突然ですが、最近耳にすることが増えたプロセスエコノミー。
プロセスエコノミーとは「完成品ではなく"過程"を売る経済」のこと。
これにより「完成品で回収した"売上"を資本として、次のモノを制作する」というサイクルから抜け出すことができる。
だから何なの?と言われればそれまでですが、このサイクルから抜け出すことで"商品"ではなく"作品"を売ることが可能となる。
商品とは、消費者の想いから生み出された品物。
作品とは、作り手の想いから生み出された品物。
※商品は"受け手"が主導となっており、作品は"作り手"が主導となっている。
商品市場では、資本力を多く持っている者が優位となる。
資本力を多く持っている者ほど、その資本力を武器に消費者のニーズに寄り添う事が可能。
そして、消費者から良いサービスだと判断されれば、口コミが広まり世界中に展開される。
お値段以上の良質なサービス"だから"こそ、世界中で販売される。
#GAFA
でも今の時代、便利なものなんて一つあれば十分。
1番便利なモノさえあれば、2番目に便利なモノなんて必要ない。
言い換えると『商品とは、1番しか求められない世界(レッドオーシャン)で勝負する』ということ。
一方、作品市場というのは"作り手"が主導権を握っている。
作り手の「面白い」や「気持ち良い」に共鳴する人のみが"作品"を購入する。
これは『買い手が限定されている』ということでもあり、同じ想いを持つ人にしか(とあるコミュニティ内でしか)売れないようなもの。
こんなモノ多く売れる訳がない。
だがレッドオーシャンに埋もれる"商品"とは違い、作品は同じ想いを持つ人たちが集まるコミュニティ内では目にしてもらえる機会が多い。
商品の『1番しか求められない世界(レッドオーシャン)での勝負』と異なり、作品は『競合も少ないが市場も小さな世界(ブルーベイ)での勝負』になる。
これからは"商品"と"作品"の二極化がどんどん進んでいく。
商品を売るならGAFAの潜むレッドオーシャン、作品を売るならブルーベイ。
市場が全く違うので、それぞれ異なる戦略が必要となる。
例えば、売上を次の制作費に充てる"自転車操業"は、作品市場では尖ったものが削られる自殺行為となっちゃいます。
「制作活動を続けたい」と、次の制作資金を確保するため"売れるもの"を作るようになり『作り手主導の品物から売り手主導の品物へ』と変化する。
これは『作品から商品へ変化する』ということで、作品市場のブルーベイで価値のないものになっちゃいます。
作品を作り続けるには"ファン"を作らなければならない。
ファンというのは「サービス提供者を応援する人」のこと。
そのファンにとって最悪なのが、作り手の制作活動がストップすること。
制作を続けるためには、どうしても"お金"の問題が絡んでくる。
そこで作り手が制作を続けたいからといって、ファンに気に入らない作品を嫌々買わせる訳にはいかない。
ファンにとっても要らないものは要らないから、嫌々買わせちゃうとファンの満足度が下がってしまう。
そこで、どうしたものか⁉と登場したのが"プロセスエコノミー"なのです。
レストランでの食事のように『完成された料理』を楽しむのではなく、BBQのように肉を焼く(調理する)工程をも楽しむ。
完成品の売上で制作活動を続けるのではなく、制作の過程を売って制作活動を続けるのです。
過程でお金が工面できれば、出来上がった作品は無償でも提供しても良いくらい。
お金目当てではないので、作り手は自分の「面白い」や「気持ち良い」を追求できるのです。
それこそが"作品"。
自分の提供しているサービスは『商品なのか、作品なのか』、しっかりと理解することが大切になっています。