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ファッションデザイナーという職業のこれから

(写真 Vogue Italia September 2010 issue, Photographe by Paolo Roversi)

今日のファッション市場は、デザイナーにとっては「冬の時代」である。以前のようにただ良いデザインや高いクオリティの服を提供すれば売れるという時代ではなくなっているのだ。

今に始まった事ではないが、ラグジュアリーファッションとファストファッションの二極化が加速する中、それに加えて昨今の物価高とサステナビリティな観点から消費者がなかなか新しい服を買わなくなってきている。

それでも、ファストファッションばかりでなく私がホームグラウンドとしている欧州ラグジュアリー市場が好調なのは何故なのだろう。

2023年2月フランスのファッションブランド、「ルイ・ヴィトン」が、故ヴァージル・アブローの後任として、実業家で、そして"世界一のヒットメーカー"と称される音楽プロデューサーのファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)メンズ クリエイティブ ディレクターとして任命、6月のパリメンズファッションウィークが彼のデビューコレクションとなることが発表された。



ファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)といえば、車やビールのCMや、あるいはアニメーション映画『怪盗グルーのミニオン危機一発』のサウンドトラックを思い出す方も少なくはないだろう。



2024年1月16日には、そのファレルによる3回目のルイ・ヴィトンメンズショーが華やかに行われた。


今までのファッションブランドは、ファッションデザイナーがクリエイティブディレクターに昇格するのがデフォルトだったのに、いきなり音楽プロデュサーがクリエイティブディレクターに起用されたのだから、業界、とりわけ現役のファッションデザイナーたちにとっては衝撃の出来事だった。



コロナ禍以降、各ラグジュアリーブランドはハリウッドや世界中のセレブはもとより、Snow Manのラウールや、岩田剛典、平野紫耀、モデルの大平修蔵やYAMATO、人気クリエーターのkemioをはじめとした日本の俳優やミュージシャン、そしてBTSのジミン、H-HOPE、SUGA、BIGBANGのテヤンそしてRIIZEなど多くのK-POPアイドルや韓国俳優を、ゲストやブランドアンバサダーとして積極的に起用し、ショーのフロントロウを華やかに飾ったり、またランウェイモデルとして起用される機会も、ここ数シーズン格段に増えてきた。
 
それに伴い、招待者のみぞ知るはず、のショー会場に大勢のファンが次々と詰めかけ、入り口付近を取り巻くという若干異様な光景が見られることも、今やファッションウィークの恒例となりつつある。これも今までになかったことだ。


結果として

ルイ・ヴィトンの親会社であるLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン グループ(LVMH)の2023年度、主力のファッション&レザーグッズ部門の売上高は、前年度比9%増の421億6900万ユーロ(約6兆7553億円)と増収増益。ルイ・ヴィトンのファレル・ウィリアムスの起用で大きな注目を集め売上高を伸ばし、またブランドアンバサダーを起用している「ディオール(DIOR)」や「セリーヌ(CELINE)」「フェンディ(FENDI)」「ロエベ(LOEWE)」などのブランドの売上が好調だったという。


ネームバリューのある人がデザインした、または推しのエンターテイナーが「推し」の服が欲しい

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