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自分の目で確かめる
私は2000年の8月にパリに移住してきた。
そして、それから23年と半年が経つ。
ファッションデザイナーとしての経験を積むこと、せっかく海外に行くのだから日本人のコミュニティーにすべて頼らず、出来れば海外ブランドで働いてみたい。3年以内に仕事が決まったらパリに残る、決まらなかったら日本に帰る。
というのが自分自身に課したミッションだった。また、
百聞は一見に如かず、小さい頃からずっと憧れだった海外生活を実際に体験してみよう。そして自分の生まれた国、世界から見た日本がどんな感じなのかを外からちょっと眺めてみよう。
という目的も自分の中にはあった。
私が20代半ばを過ぎるまで、インターネットは一般には普及していなかったから海外情報はテレビや雑誌などを頼りにしていた。バブルの頃はたくさんの日本人が海外旅行に出かけて派手にやっていたが、私自身に関しては20代後半になるまでそういう機会に恵まれることはなかった。
旅行よりも、暮らしてみたかった。世界の人々がどんな生活をしているのか、どんなことに興味、関心があるのかこの目で確かめてみたかったのだ。
また、ファッションの本場である欧米の現場ではどんな仕事をしているのかも見て、経験してみたかった。
だから、パリ暮らしが始まった時には本当に嬉しかったし、と同時に、決して安くはない自分への投資に見合った動きが29歳の私に果たしてできるかどうか、生まれて初めての海外暮らしで自分の目標をしっかり果たすことができるかのプレッシャーはかなりのものだった。
29歳といったら結婚や出産の選択もあったのかもしれない。でも私はどうしてもファッションデザイナーになりたかったし、30歳までに海外に行かなかったらもう一生行かない気がしていたから、当時お付き合いしていた彼とも深く付き合うことをやめ、新卒で就職した地方の専門学校の教員の職も最初の計画通り5年で辞めパリの3年間に全てをかけてみた。
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