夢からはじまる

mikiokousaka

ビジネスモデルが「ポエムの状態」だと感じるのはどんな時なのかを考えてみました。
何によって(What)だけ、ではダメなので、手段が明確になれば良いかな?と思ったのですが、どんな(How)だけでも違いますし、何のため(Why)だけでもポエムだなぁと。
スティーブ・ジョブズが、ゴールデンサークルの中の「Why」だけしか言わなかったら、やっぱりポエムですよね。

「すべてのことを私達は世界を変えるという信念で行っています。異なる考え方には価値があると信じています。」※サイモン・シネックによる、スティーブ・ジョブズのWhyの解説(TED.com)

様々な「ポエムの状態」があり、突き詰めると5W1Hが全て揃ってはじめて「ビジネスモデルの状態」ですが、少なくとも「Where,What,How」の3つが揃うと「ポエムの状態」から脱していると私は感じます。
もちろん、何のため(Why)が不明で、いつ(When)誰が(Who)が曖昧でも成り立つので、ビジネスモデルが「ポエムの状態」で無くなってはいても、ビジネスを実現させるためには足りていない「アイデアの状態」であり、「Why,When,Who」を明確化していくことが「ビジネスモデルの状態」に進むための必須事項だと言えそうです。

「ポエムの状態」

ビジネスモデルの遷移
1、ポエムの状態
2、アイデアの状態
3、ビジネスモデルの状態
4、ビジネスの状態
5、サクセスの状態

ところで、ビジネスモデルが「ビジネスの状態」となり、更には利益をうむ「サクセスの状態」なったとしても大きく化けない(イノベーションしない)のは、何かを(Where)という起点が、浅いままの時だと常々思っています。
「苦痛の解消」又は「渇望の充足」になっていなくてもビジネスにすることは出来るので、氷山のように水面より下にあるマイナス部分が少なければ、ほんの少ししか水面に出てこれない(イノベーションしない)という結果になるのだと見ています。

実はこの、起点が浅いままの「アイデアの状態」又は「ビジネスモデルの状態」でアドバイスを求められて、困ることがあります。
製品・サービス(What)と手段(How)が強固なものになってから相談を受けると、実現すべきことは何か「Where」に話しが及んだ時に、それを変えることは、これまで構築したビジネスモデルやアイデアの否定になるため(実際にビジネス上で困っていない中での)変更は、ほぼ不可能だからです。
ビジネス上で困っている時は、製品・サービス(What)と手段(How)に対して試行錯誤が行われ、ビジネスモデルやアイデアへのこだわりが無い状態になっているので、実現すべきこと(Where)が元々の定義で無くなることに対して異論が出ることは少なく、成果さえ出せれば後付けの起点に置き換えても良くて、結果的に新しいビジネスモデルにすることができます。
但しこの場合、既存のビジネスモデルからの変化の認識が無く、成功要因が試行錯誤だという誤解も生まれるので、ここは少しだけ困るところです。

そのため誰かと、ビジネスモデルやビジネスのアイデアについて会話する時に、実は「ポエムの状態」の方が個人的には好きだったりします。
実現したいことの中から本当に実現すべきことは何かを問うこと(クエリーからはじめよう)ができる、ビジネスモデルが「ポエムの状態」にある時こそが、深掘りができるからです。

「夢からはじまる」という言葉を自分が好きなのは「ポエムの状態」を肯定しているからですね。
そして「夢中」になって「夢が叶う」ことにつながれば良いなぁと思います。

Mikio Kousaka

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