常用の仏和辞典

わたしはフランス語教員をやっていて、フランス文学・演劇研究者でもありますので、フランス語を読んだり、訳したり、書いたりする機会が日常的にあります。ここでは普段利用している仏和辞書を紹介します。

【辞書】
1. 『プチ・ロワイヤル仏和辞典』第5版
2. 『プチ・ロワイヤル和仏辞典』第3版
3. 『ロワイヤル仏和中辞典』第2版
4. 『小学館ロベール仏和大辞典』
5. 『白水社ラルース仏和辞典』
仏和・和仏辞典は、上の5冊を主に使っています。このうち1-4は、物書堂のiOS用アプリを使用しています。

物書堂のiOS用辞書はとてもよくできていて、値段も書籍版より安価。各辞書の横断検索も可能です。またMacOSでも物書堂辞書は使えますので重宝しています。書籍版辞書には書籍版の良さがありますが、上記辞書の書籍版も持っていますが、物書堂の辞書を使うようになってからは、書籍版の辞書を使うことはなくなりました。

1.は学習用仏和辞典の定番で、収録語数は約45000語です。言語は時代とともに変化しますので、辞書は新たに刊行されたもののほうが、新語や新しい表現、語法、慣用などがカバーされますし、レイアウトや説明などもアップデートされています。『プチ・ロワイヤル仏和辞典』の第5版は2020年に刊行されていて、現行の仏和辞典の中では最も新しいものです。
和仏辞典は仏和辞典よりは利用する機会は少ないですが、仏語を書くときにはないと不便です。
3.の『ロワイヤル仏和辞典』は、1.の『プチ・ロワイヤル仏和辞典』の上位版で収録語数は約90000語です。『プチ・ロワイヤル仏和辞典』にはない情報が多数収録されていますが、最新版が2005年刊行の第2版なので、新語や最近の表現などは収録されていません。書籍版は絶版になっていて、物書堂アプリもしくは旺文社のWebでの利用(有償)となります。
4.の『ロベール仏和大辞典』は12万語を収録する大型仏和辞典です。記述も詳しいですが、書籍版の刊行が1988年で、その後、改訂されていません。物書堂アプリもJapanKnowledgesなどWebで利用できる版のデータも1988年の書籍版に基づくものなので、最近になって用いられるようになった新語等は収録されていません。
5.の『白水社ラルース仏和辞典』は、ラルース社の外国人仏語を学習者向けの仏仏辞典をベースにした収録語数8000語の基本語辞典です。日本語版は、日本人フランス語学研究者の補足記述により、原著よりはるかに充実したした内容になっています。フランス語の基本語は多義語が多く、その語法も複雑です。学習者向け小辞典ながら、この辞書の各語の解説は適切で詳しく、他の仏和辞典にはない内容が含まれています。このユニークで優れた辞書は、残念ながら書籍は品切れで、電子版も存在するしません。

仏語を読んだり、書いたりするとき、特に今どきのフランス語を読んだり訳したりするときには、仏和辞典だけでは解決できない場合があります。仏仏辞典の利用が必須となりますが、私が常用している仏仏辞典、ツールについてはまた別のノートで。

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