UX Hackathonをやってみたい、という話
昨日、Twitterでなんとなくこんな事をつぶやいたところ、思った以上にfavがついてしまいました。
この発端としては、 @makiko_sakamoto さんが下記のようなTweetをされており、それに対するものだったのですが、こういったリアクションを見るに、UXデザインに触れる、または実践する場を求めている人ってそれなりに居るのかも知れません。
昨今、UXデザインの考え方が市民権を得てきており、デザイナだけでなく、エンジニアやビジネスサイドの人までもがUXを学ぶようになってきています。このこと自体は大変喜ばしいのですが、せっかく興味を持って学んだUXに関して知識をアウトプットする場って実際にはほとんど無いのが現状なのかなと思います。本であったりインターネット上の記事を見て「なるほどUXデザインってこういうことなんだ、こうやっていけばいいんだ!」と理解しても、そこに留まってしまうのは非常にもったいない。
各人が所属する企業の中でUXデザインに取り組めるような環境があることが理想なのでしょうけれど実際には中々難しいのかと思います。もちろん企業規模にもよるので一概には言えないのですが、例えば大手企業だとエンジニアとビズデブとデザインの役割がしっかりと別れていて、UXの要素を製品開発プロセスの中に入れようとすると中々大事だったり・・・ということが往々にありそうです。ではスタートアップだとどうかというと、エンジニアリングやビジネス、デザインなどの立場で事業に携わっていると、目の前の自分の仕事にいっぱいいっぱいになってしまってなかなかUXにまで手が回らない…なんて話は耳にします。
UXデザイナって、他の役割に比べて、ハードスキルよりもソフトスキルが占める割合が大きいからというのもあるのかもしれませんが、立ち回りが難しいポジションかなと個人的には思うんですよね。そもそも小さな組織、小さなプロジェクトではフルタイムでUXデザイナを雇う余裕ってほとんど無いでしょうし、雇われた側もUXデザインだけではバリューを出しにくい。では大きな組織ではどうかというと、組織がサイロ化されてしまっているので、独立遊軍的に動くのが組織構造上難しく、やはりバリューを出しにくく、いずれにしても結果が伴いにくいので自ずとUXデザイナとしての成長が難しくなる。
では、どうするのが良いのかと言うことについて、以前スクラム研修などを提供している専門家の方と話をしたことがあるのですが、UXデザイナはチーム内にずっと居るよりも外部からコンサル的に関わるのが意外とうまくワークするという事でした。そこで私がふと思ったのが他の会社のUXを改善するためのHackathonみたいなことができたら面白いんじゃないかな?ということ。私がCIID留学中、様々なプロジェクトを経験させてもらったのだけど、やはり一番おもしろいのって、実際の企業、実際のサービスに関わるプロジェクトなんですよね。
例えば、CIIDはインキュベーションプログラムを持っています。いわゆるYコンビネータのようなアクセラレータプログラムのようなものを想像していただくと良いかと思うのですが、インキュベーション施設に入居している企業の人たちが時折教育部門にやってきて、現在の事業の状況や課題などを話してくれるんですね。で、学生達はそれを聞いて、情報収集したりして課題を整理して、アイディアを出し改善案を作り提案するわけです。もちろんこの提案が採用される場合もあれば、尖りすぎてるとか、面白くないとかで却下される場合もあります。
他にも、有名な企業のデザイナさんが「僕たち今、こういう課題を抱えてるのでなんとかしてよ!」とブリーフを持ってきたりもします。課題の粒度は、「我々のサービスはアメリカでは伸びてるのにヨーロッパで伸びないのでなんとかしてほしい」みたいなのもあればTinderのようなマッチングアプリで「マッチングしたあと会話が始まる率が低いのでなにか施策をうちたい」とか具体的なのもあれば「我々のサービスを使うユーザの体験を何らかの方法で改善したい」や「競合が出てきてやばいからなんとかして!!!」みたいなものまで様々ではあるのですが、多分UXデザインのスキルを伸ばすというか、UXデザインの経験を積むのって、こういう場がひとつ有効に働くんじゃないかと思うんですよね。
で、これに似た環境を、できればもっと気軽に参加できるような仕組みを作れたら面白いんじゃないか。例えば東京のスタートアップとUXデザイナさんをマッチングしたりして、hackathon的なことが出来たりしないかな?と。もちろん企業でなくても公共サービスでも良いとは思うのですが、実際にやるとしたらどうやって参加者を集めるかとか、企業の協力をどうやって得るか等色々と問題はあるのでしょうけれど面白いんじゃないかなと思った次第。
ということで、最近流行りのアレ、貼っておきますね。