グレープフルーツの話(というわけでもない?)
最近、頻繁にグレープフルーツを食べています。
会社の帰りに23時まで開いているスーパーで買い、半分に切って夜に食べて、残り半分は翌朝かその夜ということが多いです。半分に切るだけで食べられるから楽だし、ビタミンCがたっぷり、どうやらリラックス効果、快眠効果もあるらしい。
とまあ、健康的な理由で、というのは半分以上後付けです。
実はグレープフルーツを買うようになったことには、とても明確なきっかけがありました。
1ヶ月ほど前に友人と夕食に行き、2杯目か3杯目でソフトドリンクを注文しよう、という段で「グレープフルーツジュースがある!」と友人が喜びました。確かアジア系の料理店。まあ定番やからあるやろ、と軽く流していたら、異常に喜ぶ友人。
よくよく聞いてみると。
友人はグレープフルーツが大好きで(5年以上の付き合いですがこの時初めて知りました)毎日のようにコンビニでグレープフルーツジュースを買っていた。でもなぜか、次々と取扱いがなくなってきている。数種類の果物がミックスされているジュースも、グレープフルーツが入っているものだけない。疑問に思った彼女は調べて、そして知る。フロリダで発生したハリケーンの影響で、グレープフルーツ農家が打撃を受け、生産が激減していることを。(注意:少し前の情報かもしれません)
私ももともとグレープフルーツは好きです。小さな缶が並んで詰め合わされたジュースのギフトセットでは(ぶどうの次に)グレープフルーツを選びます。でも、知らなかった。そんなことになっていたなんて。
セブン−イレブンに冷凍のグレープフルーツ(剥き身)があることもこの時教えてもらいました。ジュースが消えても残っていた、頼みの綱のそれも、いよいよ品薄になってきているとのことで、私はこの日に寄ってみましたが、値札だけがあり商品はありませんでした。ついでに、ジュースの棚を見ましたが、彼女の言う通りでした。翌日、会社の近くのコンビニで見てみても同じでした。
グレープフルーツが、いつのまにか消えている。
そう思うと食べたくなる。というか、話を聞いてから、グレープフルーツのことばかり考えている。食べたい!食べたい!食べたい!
そんなときに見つけたのです。23時まで開いているスーパーで、かごに山積みされたグレープフルーツ、1個140円。
まあまあ微妙な値段ですが、買って帰りました。数年ぶりに食べました。あまりにも美味しくて涙が出ました。
その日から、かごの中身が残り5個ぐらいになるまで、一番あの店で買ったのは私なんじゃないかと思います。
もちろん早速彼女に教えました。しかしとても残念なことに、それは彼女が行った他の店舗のどこにもなかったそうです。どうやら私の利用する店舗限定のようでした。(確かにかご入りでPOPがついていた)そのスーパーの成長の理由が「屈指の調達力」と言われていることを思い出しました。おそらく熱心なバイヤーがあの店舗担当にいるのでしょう。
その後、私は、実家でグレープフルーツを食べているときに、ギザギザスプーンを使っていたことを思い出しました。ギザギザがついているスプーンです。早速、百均で探しましたが、ない……。あれ、加工にお金かかるからかな?と思いましたが、真横にはカニをほじくる専用のスプーンが並んでいました。
調べてわかりました。今はあまりギザギザスプーンが使われていないこと。1970年代に、時の首相(田中角栄氏)がギザギザスプーンを使っていて、各家庭が取り入れたらしいこともわかりました。
ふと思い出しました。泊まりにきた祖父(故人)が、ギザギザスプーンでグレープフルーツを食べながら、ナイフはないのか、と言い出したこと。母が、なにそれ、とちょっと不服そうにしたこと。どうやら伯父(母の兄)の家ではナイフが出てきていたようなのです。その頃から時代は変わり始めていたのかもしれません。
あとは、普通に剥いて食べる人も多いみたいですね。びっくりしました。半分に切るだけで食べられるからいいのに。
とりあえずギザギザスプーンがAmazonで3本600円で買えることがわかりましたが、まあいいか、と普通のスプーンで食べています。(実家で1本もらってこようかな…)
長くなりましたが、友人のあの一言がなければ、私はグレープフルーツを買わないまま過ごし、ギザギザスプーンを買おうとすることも、祖父のことを思い出すこともなかったんだなと思うと、不思議な気持ちになります。
マーケティング的には、習慣づくほどのリピート消費が生まれるトリガーは思わぬところにあり、そのきっかけを日常に仕込んでおくことは大事ということでしょうか。
この消費の行く末(飽きるのか、定番化するのか)を、自分で見守ろうと思います。
ちなみに先週、スーパーのかご売り1個140円が、なんと198円に値上げされました。
早速試される消費。どうなる??
また報告いたします。
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