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夢と野望とあの人と
2019年4月、何気なく見始めた朝ドラで私はその人を見つけた。貧しい開拓民の家の子でツギハギだらけの衣装なのに、その人はキラキラと発光していた。
(なんだこの人?)
と思って名前を調べた。
しばらくして、同じ局の朝の情報番組で話している姿を見た。「デビューして数年目、ある舞台に主役として立ったが、客席はガラガラで、それ以来本気で役者として向き合うようになった」という挫折エピソードを語る姿が、言葉数は少ないが嘘がない話し方をする人だなと思った。
(なんかこの人好き)
過去の出演作品を漁ったら、何本も見ていた。なのに同じ人と認識していなかった。
(この人を生で見てみたい)
という夢が生まれた。
生で見れるチャンスが巡ってきた。写真集とインタビュー集2冊購入で応募できるデビュー10周年のトークイベントが京都であるとわかった。生で会いたいが、写真集はいらない。でも仕方ないから2冊買って応募した。外れた。ショックだった。
翌年、生で見られるチャンスがやってきた。東京でやるミュージカルだ。抽選に応募しまくった。なんと最前列が当たった。
(神よありがとう)
1回目が最前列だと舞い上がてしまって勿体無いので、先に2階席を取った。その次に1階の中央。最後に最前列。最前列で見るあの人は舞台を所狭しと駆け回っていた。今回は主役ではないが、劇場は連日満員御礼だった。あの人を見たいという人で溢れていた。
が、私は落胆して京都へ帰った。何故なら、最前列に行けばあの人と目が合うかもしれないと思っていたからだ。最前列でも目が合うことのないあの人は、まるで蜃気楼のようだった。
私は立ち直った。また次、生で会えるチャンスが来た。今度は愛知と福岡。京都から日帰りで舞台を見に行った。もう目が合うなんて事は期待せずに。
さらにチャンスがきた。これはまだ言えないが本当に嬉しい事だ。
が、そんな中、ニュースが届く。しょ、しょるいそうけん?
まぁ、これまでたびたびSNSで飲み過ぎな様子を見ていたから、よくぞ隣人の方が通報してくれたと思った。何故って?身体を壊すからだ。私がそうだった。私は身体を壊したのでアルコールを卒業した。
その人はファン向けに「今まで以上に目の前の仕事に真摯に向き合い、全力で頑張ります」というメッセージをくれたが、そんなことより、今後ストレスにどう向き合うかを考えて欲しい。だって真摯に仕事に向き合ってきてるのは知っているからだ。アルコールという手段以外でリフレッシュする方法を探して欲しい。
私はあの人にマナを送る。
(いつかマナヒーリングであの人を癒したい)
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それが野望だ。