東へ、いや違う。西だ。走れ!
ほんの一瞬しか
その美しい光景は
見ることができない。
今朝の朝焼けはきっと美しい。
そんな気配がしたので
東の窓際で白湯を飲みながら
シャッターチャンスを
座って待っていた。
今日は外だ。
外で撮影しないと
いちばん美しい瞬間を
フレームには収められない。
上着を羽織って
靴を履いて庭に出る。
写真の構図は悪くない。
でも違う。
東の稜線の際が綺麗な
色彩を放っている。
小走りで東の大通りまで
移動すれば間に合うかな?
数十メートル進んだとき
全身に声が響く。
違う!逆だ!西へ行け!走れ!
逆方向へ走り
自宅裏の小高い場所へ
登ってさらに数メートル西へ。
今日のいちばん美しい色を
理想の角度で撮影できた。
数分後、東の空は
しらじらしい表情で黙り込む。
あっさりとした薄曇りの
秋の朝の顔になった。
おとなしめの人が
ベッドの上で激しくなる
エネルギーの変遷のようだ。
そういうギャップが私は大好き。
空の演舞は誰もがいつでも
タダで好きなだけ楽しめる。
宝塚歌劇団のファンのように
空や星や植物を愛でる。
すばらしい一瞬を求めて
写真を撮りまくる。
素敵な週末をお過ごしください。
(はてなブログ「アレコレ楽書きessay」2022.10.9 転載)
追記 : noteでの名前を変えました。
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