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台風の夜に念願叶えた外猫2匹

新しい犬小屋ハウスは、屋根が平らで開閉できるタイプを購入しました。
家の窓際に設置した大きい方の犬小屋ハウスの屋根は、ハチワレくんの定位置になりました。

ごはんはあいかわらず、窓枠にごはんを並べて仲良くいただきまーす!
モフモフくんがハチワレくんにごはんを残してあげるのもあいかわらずです。
そして、ハチワレくんもあいかわらずモフモフくんの残してくれたごはんを別腹といって食べていました。

そして、いつか絶対この中に入ってやろうなと2匹で話しているかのような決意の顔して家の中をのぞいてました。

2019年9月、関東とくに千葉県に甚大な被害をもたらした台風15号。ゴルフ練習場のネットが倒れたというと、思い出される方も多いかもしれない。

マンション生まれマンション育ちの私、一戸建てで迎える初めての台風。
超大型台風の事前情報に養生テープを買いに走るもどこも売り切れ、やっと買えたものの1.5倍くらいの値段だった記憶。
そんなことは言ってられないので購入して窓養生、庭の植木たちも避難。
猫たちのハウスの上にはブロックを置いた。

いよいよ台風とともに夜がきた。
ニュースが進路は関東直撃、上陸の可能性を伝えてる。そのとおり雨風が増してきた。心配なのは外にいるモフモフくんとハチワレくんのことだ。

このときはモフモフくんもハチワレくんも窓際に設置してある大きい方のハウスに入っていた。
この頃は猫がのぞける程度を残して、シャッターは完全に閉めずいたのだが、流石に暴風雨が酷く、直撃の可能性もあり、人間としてはシャッターを完全に閉めたかった。
だからといって、そんな超大型台風のときにモフモフくんとハチワレくんだけ外に置いて閉めるのはかわいそうでできない。

よし、家猫たちは2階の部屋に隔離して、台風が通り過ぎるまで、モフモフくんとハチワレくんを家の中に入れることにした。

家猫たちを2階に移動。風が壁と窓をガタガタと揺らす、雨が屋根も窓も壁もバチャバチャと派手に叩く、それに負けじと風も雨も自分自身の音をアピールして大演奏会だけど超怖い。
家猫たちに「すぐ来るからね。」と声をかけ、ドアを閉めて1階に降りる。

1階では家族が窓を開けて、モフモフくんとハチワレくんに声をかけていた。
家の中に入れることにしたのはいいが、決意とは裏腹に2匹ともなかなか入らない。いつか絶対この中に入ってやる!じゃなかったのか。 

最初に入ってきたのはハチワレくんだった。入っていいの?というような顔つきで私たちを見る。
「いいよ、おいで」「速くおいで」と声をかける。ハチワレくんはゴミ捨てに行くときも足元にくるし擦り寄りもするが、触ろうとすると軽くパンチする。
ハチワレくんが、ここに入っちゃいけないんだと思わないように気をつけながら、家の中から声をかけて誘導する。
上手くいった。いいのかなとチラッとこちらを見ながら入ってきた。
「いいよ。好きなところどうぞ」と声をかけながらハチワレくんを見守った。

一方のモフモフくんはなかなか入ってこない。「モフモフくん、おいで」と家族が声をかける。

外の暴風雨が酷くなってきていた。

その間にハチワレくんは、いいのかなと遠慮がちにしつつも、ウロウロと部屋の中を探検中だ。いつもこの中にあいつらなんでいないんだと探しているようだ。
1階を一回りした後、やはりこちらを振り向いて、行ってもいい?と確認した。
「どうぞ」と応えると階段を上がっていった。私も一息間をおいてから、そっと階段を昇ってみると、あいつらいないの?とでも言いたげにハチワレくんが下りてきた。

そうこうしている間に、家族がモフモフくんを家の中に入れることに成功して、シャッターを完全に閉めた。
よかったと安心したのもつかの間、モフモフくんが、外に出せーとばかりに鳴き出した。
「モフモフくん、台風怖いんだよ、台風いなくなったらお外出してあげるから。」と声をかけるが、「ニャー!」そんなこと知ったことか!いますぐ出せー!とばかりだ。何度も書くが、いつか絶対入りたかったのではなかったのか。

一方のハチワレくんは、もともとボクここにいましたとばかりに、ダイニングの椅子にすました顔して座っていた。
いつも私とサバトラくんが座っている椅子だ。

暴風雨はさらに増して、台風が近づているのがわかる。今度は2階の家猫たちの様子を見に行く。2階の音はさらにすごい。家が壊れるのではないかと思った。
固まっているサバトラくんをしばらく抱き抱えた。

しばらくすると暴風雨が落ち着いて、台風が通り過ぎたのか、峠を越したのを感じた。
勝手口のドアを開けた。モフモフくんが飛び出して、すぐにハチワレくんが追いかけて出ていった。人間は二階に上がって家猫と眠りについた。

翌朝、シャッターを開けると、窓際の犬小屋ハウスは傾き、小さい方の犬小屋はなかった。猫嫌いのお隣さんと反対側のお隣さんは空き地なのだが、小さい方の犬小屋ハウスはそこにあった。それもひっくり返って。空中を舞ったのは明らかだった。モフモフくんとハチワレくんを家の中に入れたのは正解だった。

飛ばされた犬小屋ハウスを取りにいき、元に戻した。 

そして肝心の2匹はというと、何事もなかったかのように、ごはんくださいとごはんを催促し、いつものように窓枠に並んで食べていた。

それ以来、彼らが家の中をのぞいても、家に入りたいわけじゃないんだと思ったが、いまこうして振り返ると、モフモフくんのニャー!は、出せー!ではなく、ハウスが大変なんだよ!と言っていたのかもしれない。段ボールハウスが飛ばされたときのように、モフモフくんは、飛ばされそうな、あるいは飛ばされた犬小屋ハウスを守りに行こうとしていたのかもしれない。

 
モフモフくんが段ボールハウスを守ったときのおはなしはこちら↓


マガジンNEKO
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