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「日本文化を守る」。簡単には言えるがすごく大変だった話。

ロサンゼルスでラグジュアリーな和菓子ブランド「Misaky.Tokyo」を運営しております、三木アリッサと申します。

先日発表させて頂きました通り、弊社は世界的セレブのキム・カーダシアンとコラボレーションいたしました。

実は発表の裏では、実は7万8千人もフォロワーのいる菓子業界のインフルエンサーに日本の誇るべく「琥珀糖」の文化を「パクリ」と表現され、それに抗議していました。

本件、正式に相手方より謝罪の連絡と、謝罪の掲載文を掲載してもらった為、そのプロセスを公開し、今後海外で戦う方の少しでも知恵になれればと思いここに記します。

感謝

11/21 7万8千人以上フォロワーのいるMayan氏に「コピーキャット」だとの日本の文化を冒涜する投稿を一方的になされ、多くの誹謗中傷のコメント、メッセージを受けビジネスでの妨害を受けました。

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Twitterで沢山の拡散ご協力を頂き、さらに彼女の投稿に沢山の抗議コメントが行きました。みなさま一人一人のコメントがMaayan氏を動かし、アメリカでは「異例」の謝罪文の掲載を取り付けることができました。

一人の日本人として、誇るべき「日本文化=コピー」という誤った捉えられ方を阻止できたこと、本当にホッとしています。

(最後の方は毎日泣きながら仕事していました。日本の文化を私のせいで傷つけるのではないかと...心配で心配で…重圧で...頭がおかしくなり、全然眠れなかったです)

掲載までの経緯

今回謝罪文を得るにあたって動いた戦略は三つです。

①教育のチャンスを与える
②表現の自由の範囲内での抗議文公表
③拡散し外圧で抑える

まず今回のケースは、残念ながらアメリカでも「泣き寝入り」が通例でした。

なぜなら、⑴彼女が私を‘コピー’だという「表現の自由」があり、⑵ビジネスの妨害を証明する事が「コメント・DMの殺到だけでは」難しいと、沢山の弁護士に相談しましたが、ダメでした。

そこで、裁判で戦うことは諦め「謝罪文」の掲載を要求する事で、ハードルを下げ、まずは日本文化の名誉を回復に努めることにしました。

(会社としては、この時点で大量に「しねー!」みたいなDMを貰いました、それがビジネスにどれくらい影響を与えるのか証明が難しいとのことでした...)

①教育のチャンスを与える

まずは、彼女の動きを止めるためにこのような抗議コメントを該当の投稿にしました。

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すぐに消され、ブロックされましたが..これが実はとても効きました。

効いた理由①彼女のファンの中で「流石に彼女がおかしい」と思ったファンから連絡が来て、彼女にとって不利な情報(彼女に都合が悪いコメントは消し無かったものになっている...都合の悪いコメントを書いたファンに言い訳のDMをしまくってるなど...)を色々集めることができました。
効いた理由②「私は、彼女に学びの場を与えたが、ブロックし、私がさらに説明する場を失わせた」と主張ができる材料が増えました。アメリカの場合はディベートの文化が強く、何か対立した場合はオープンであるべきだと考えらるケースが多いです。これをうまく主張できるようになりました。

②表現の自由の範囲内での抗議文公表

教育の場を与えたものの、受け取ろうとしない先方に今度は②表現の自由の範囲内で、抗議文を作成しました。

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本文はこちら▼

これがね...本当に難しかったです。攻めすぎると今度は逆に裁判を起される可能性もありますし、マイルドにしたら意味が伝わらないですし…。そのバランスが本当に大変でした。(うちの部下がすごく優秀なので、助かりました。)

抗議文の内容は①弊社の損害を主張よりも、日本の文化守るために抗議している事②こちらは丁寧に教育したが、それでも彼女がリジェクトした③謝罪を要求と大きく分けるとこの様なポイントになります。

特に②の文脈はアメリカっぽく「人はこうあるべきだ」からも説明しました。

抗議文だけでは、ダメだった

さて抗議文をインスタに載せたところ、反響はすごく、その時点で200名の方が賛同してくださり、彼女のインスタに「教育」し、謝罪を促しててくださいました。

ただ、それでも彼女は「何事もなかった」かのうよに違う投稿をし続けました。これは完全に外圧でしか謝罪文は得られないな...と。

アメリカでは謝罪文の掲載は、基本的にありえない事です。なので、このままだと「日本文化=コピー」と思われてしまうので、本当に焦りました。

③拡散し外圧で抑える

そこで拡散させることにフォーカスしました。

①ますばTwitterで日本の皆さんにご協力をお願いしました。やはり日本人としてぜひご意見をいただきた方が、彼女もことの重要性に気がつくと思ったからです。

→結果: 全然響きませんでした…。内容の濃さでは動かないので、次の手段に出ました。

②メディアさんに頭を下げ、記事掲載も助けてもらおうとしました。

→結果:そもそも記事になりませんでした。こう言う時に日本人で拡散能力の高い記者さんが表に出ていらっしゃらないことに、すごく苦労しました。アジア系の記者にも相談しましたが、全然ダメでした。

③Tiktokで動画作成。

→結果: ものすごい反響をえました。特に黒人・アジア人の心を打ったみたいで、動画が30万回再生を突破し、彼女のインスタに4000コメントがつきました。

ここで初めて彼女から謝罪のメールが届きました。

日本文化を守れて、本当に良かった

アメリカでは日本と違い謝罪文の掲載は基本しません。そういう文化がほぼ無いです。基本的に隠れ、何事もなかったかのようになります。

今回は時間がかかったとはいえ、彼女が学ぶ姿勢を持てる方だったのが本当に救いでした。彼女の勇気ある行動を、まずは称賛をしたいです。

(もしこれでもダメだったならば、次のステップは、弁護士と一緒に正式な抗議書類作成になります。しかしこの抗議書類は30-50万かかり、しかも法的な拘束力がありません。どぶに捨てる可能性高いお金でした。スタートアップとして30-50万かけるのは、本当に痛手でした。しかも、この書類があって初めて、裁判に持ち込める...と...。)

その後の流れ

そして、謝罪文の掲載となりました。この時も、事前にどのような掲載文を記載するのか提出する様に指示しました。(こちらで加筆するつもりはありませんでした。それは彼女に責任をきちんととってもらいたかったからです。ただ、リスクをコントロールするために...念のため事前に見せてもらいました)

今回運がまだ良かった

今回思ったのは、不運でしたが、でもすごくラッキーでした。

まず、自分に拡散力があってよかったのは救われました。Tiktokで13万人フォロワーといたので、自分の主張がきちんと伝えることができました。これがなかったら...本当に泣き寝入りで...私のせいで日本文化を汚すところでした...。

次にラッキーだったのは、熱狂的なファン5000人いたこともラッキーでした。同じ事が2ヶ月前に起こっていたら、弊社は何も対処出来なかっただろうと思います。たまたま会社の方針でファン作りを強化しているタイミングでした。この2ヶ月間でものすごくファンと交流し、1万以上の方とライブで話しました...。

アメリカで戦うということは、自分を守るためにも主張する力を持たないといけない...と本当に痛感したところです。

とりあえず今日完全決着がついて...本当に...よかったです...。久しぶりにぐっすり寝れます…。本当に疲れた…。

最後にお願い

今回本当に痛感したのは、みんなで一致団結して争う必要性の高さです。これからもこう言う事が起きるでしょう。

どうかそのさいは、みなさんのお力を貸してください。

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三木アリッサ

Forbes Japan 地球で耀く女性100人最年少選抜(2018)/ Business Insider Japan Game Changer 2019

1992年生まれ。早大法学部在籍中にプリザーブドフラワー専門ブランド立ち上げに参画し、楽天ナンバーワンブランドに育てる。卒業後外資系メーカーにその企業初の学卒マーケターとして採用されCRMを担当。その後、日本酒ベンチャーで新ブランド立ち上げや、伝統工芸品ECの新規事業立ち上げに参画。さらにはイスラエル専門商社にて、新規事業開発Mgとして、過去最高売上の12倍を半年で更新。

現在日本のLVMHの創設を目指して、ロサンゼルスにて和菓子D2C「Misaky.Tokyo」立上げた。世界的セレブ「キム・カーダシアン」とコラボ実施し、2億人に拡散された。またシュレックなど手がける「ドリームワークス」本社での販売も行なっている。


https://misaky.tokyo/
https://instagram.com/misaky.tokyo

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