ムーンビーチの朝
娘はいつも通り7時前に起きた。窓から静かな青色が見える。朝日を見るつもりだったのに、寝過ごしたことを残念におもうが、ここは西海岸、そもそも朝日は見られなかったのだと気がついたのは浜に降りて、後ろのホテルの方から太陽の光が射しているのを見たからだった。「海へ行こう!」と娘が言うから、ももちゃんを起こして3人で砂浜を歩く。どの時間帯とも違う海。わたしは朝の海が好きだ。
娘は海に入りたがっていたが、まだ寒いからやめよう?と声をかけて足を洗う。タオルで簡単に拭いてそのまま外階段を登って朝食会場へ行く。もうすでにかなりの席が埋まっていて、ホテルのお姉さんに促されるまま海からは遠い席に座る。ソーセージ、スクランブルエッグ、パンケーキ、クロワッサンを娘用に皿に入れ、わたしもお米や納豆やクーブイリチー、焼いてもらったオムレツなどを持ち、オレンジジュースをいれて席に戻る。ももちゃんはすでに食べはじめている。ムーンビーチホテルの朝ごはんは、まあまあな口コミで、実際にまあまあな感じだったが、右手には海、左手には垂れ下がるグリーンが見えて、なんだかすべてどうでもよくて、ここを離れがたく思った。
本当は午前中にプールも入るつもりだったけれど、どうやらわたしたちにその体力はなさそうなので、お腹いっぱいのまま部屋に戻りだらだらと過ごす。海の見える浴槽に浸かり、パッキングをしている間にいつの間にか10時になりチェックアウトをすることにした。
昨日の夜のこわさはまるで嘘みたいに、再び心懐かしくなるホテルがあった。ロビーも、海も、車寄せにあるバス停も好ましくて、本当はどこかで3人で写真を撮ってもらいたかったけれど、スタッフの方は忙しそうだったので声がかけられなかった。
また、泊まりに来たい、次は2泊3日で、海にもプールにも存分に入ろうと決意して、母から借りた白いプリウスで那覇へ向かった。娘がチャイルドシートに座りながら、「また、海、はいりたい〜」と言ったのが、ただただうれしかった。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?