社会的価値、個人的価値
中学の保健室にブッタとシッタカブッタという漫画が置いてあった。ブタたちが仏教の思想を4コマ形式で教えてくれる。
その中で印象に残ったひとつに、人との比較の話がある。ブタがもし世界にたったひとりなら、ブタはブタとして自分を認識できない。他のブタたちがいるから、その比較の中で自分のことを認識することができる、という話だったとおもう。
人はよく言う。人と比べちゃいけないよ、と。そんなことは、土台無理で、しかし、それを言いたくなる気持ちもわかる。人と比べると、辛くなってしまうから。ないものねだりのはじまり。
比べることがいけないんじゃないんだ。その比べるものさしをたったひとつにすること、もしくはそのものさしを自分のものではなく、ずっと他人のものを借りていること、それら人を辛くするんじゃないか。借り物の眼。
完全無欠の長所はこの世に存在しない。あらゆる長所は短所を孕む。そうでしょう?
社会的に良しとされている長所はいくつかあり、それがたまたま合致した人、ラッキーだったね。でも、それはラッキーだっただけ。たまたま合致しない人、アンラッキーだったね。でもアンラッキーだっただけ。
わたしと、あなたは、違うね。
社会的価値がつくりだす優劣とは違うところで、個人的価値を守らなければ、だれかの作り出した欲望の波に飲まれてしまうから。
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