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「ダメ親と呼ばれても学年ビリの3人の子を信じてどん底家族を再生させた母の話」
冒頭にはこのように書かれています。
「『学校に呼び出されるなんてお母さんは恥ずかしい』
『とにかく先生の言うことを黙って聞きなさい』
『くだらないことをしていないで勉強しなさい』
『どうしてそんなこともできないの』
もしも私が、娘にそう言っていたら高2の夏に偏差値30だった娘が慶應大学の現役合格を目指し、がんばることもなかったでしょう。」
この冒頭の言葉が全てを物語っています。
著者はベストセラーとなった『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』の主人公のギャル、さやかちゃんのお母さんです。家族からはああちゃんと呼ばれています。
ああちゃんは三人の子を育てましたが、夫婦はいがみ合い、家庭は崩壊寸前でした。ああちゃんに暴言を吐く父親のことを娘は憎んでいました。
ああちゃんはとにかく娘を信じること、何があっても娘の味方になると決意して実行すると娘は変わっていったのです。そしてまた娘の頑張りを見て、父親も徐々に変化を見せていったのです。
大人は親になると子どもの頃の気持ちを忘れてしまうのかもしれません。
「勉強しなさい」
「勉強しないと将来困るよ」
「早くしなさい」
こんな言葉を投げかけられても子どもは反発するだけです。
子どもを信頼すること、良いところを見つけて褒めること(どんな子どもにも良いところは必ずあります。あなたの子どもですから)。
ああちゃんの長男は問題児でした。多動症で友だちにも手が出てしまいます。
保育園の時でした。保育士がお菓子を用意して「ひとり一個づつ取ってね」
と言ってもさっと、3個もわしづかみにしてしまいます。ああちゃんは情けなくて恥ずかしくてたまりませんでした。
このままでは団体行動もできないとキツく叱りました。
「なんでお友だちの分まで取るの!」
すると「お姉ちゃんと妹の分」
ああちゃんは衝撃を受けました。思いやりのない子だと思っていたのにそうではなかったのです。
さやかちゃんの受験日に雪が降り、お父さんが送ってやると車を出します。仲の悪い二人、今までこんなことはありませんでした。会場に行く途中、雪でスタックしている車を見つけたお父さんは「ちょっと待っとけ」と車を降りて助けるのです。
さやかちゃんは思い出しました。お父さんは困っている人を見るとほっとけない性格だったんだと。そしてお父さんを誇りに思うのです。
父親は妻や娘によって変わっていき、娘も両親によって変わっていったのです。
これは崩壊寸前だった家庭の再生の物語です。