ドリアン長野

1961年生まれ。高校生の時にセックス.ピストルズを知って衝撃を受け、怠惰な生活から足…

ドリアン長野

1961年生まれ。高校生の時にセックス.ピストルズを知って衝撃を受け、怠惰な生活から足を洗う。50歳で父親になったパンクと読書と極真空手を偏愛する元リーマンパッカー。

最近の記事

「いちびり」

羽田第三ターミナルにある、客室乗務員にも人気の「おにぎり こんが」。 味噌汁と漬物のセットにもできます。具は20数種類。 第一から第三ターミナルの全てに展望デッキがあります。 夜景を眺めるなら断然第三ターミナルですが、 第一ターミナルの展望デッキはコンパクトながら椅子とテーブルがあるので食事しながら飛行機の発着が眺められます(全てのデッキは22時まで開放)。 羽田から帰りのこと、保安検査場の前にあるカフェでしばし休憩。 時間になったので娘に「そろそろ行こうか」と声をかけま

    • 中高一貫校の模擬授業で思わず涙したこと

      ある日、娘が小五の時に言った。 「私立の中学に行きたい」 妻が問う。 校区内の公立中学校に行けば歩いていける、その学校に進学したら電車通学になるから定期代もかかるし、朝早く起きないといけない。中学受験するなら塾に通わないといけないけど、お金がかかるから最悪このマンションを引っ越さないといけなくなるかもしれない。それでもいいの? 娘は「それでもいい」と言った。その言葉で石橋を叩いて叩いて渡る妻が決心した。 「わかった。老後の貯金を吐き出そう」 未来のことより、現在であ

      • 受験二日前の塾への手紙

        入塾から受験日まで10か月という短い期間でしたが、塾の皆様には大変お世話になりました。 本人が中学受験をしたいと言ったとき、地元の公立中学に行けばいいと反対しましたが、本人の意思は固く、どうしても中高一貫校に行きたいということで通塾させることになりました。お陰様で塾で勉強することが楽しいと風邪で学校を休んでも夕方からは塾に行くほどでした。 オール3という可もなく不可もなしという学校の成績が三学期には算数4、国語5になり、何より驚いたのは当初の稚拙な作文が見違えるほどになっ

        • フルマラソンと娘の手紙

          二年振り、二度目のフルマラソンの福知山マラソン。 雨が降っていたが、スタート10分前には快晴になった。緊張してスタート地点に立つ。 7歳の娘が「まけるなよ」とハイタッチをする。と言っても自分にとってはミドルタッチだが(笑)。 スタート地点は完走目標時間を自己申請して決まる。僕は4時間50分としたのでAからG地点最後尾のGだ。今大会は8006人が出走したそうだ。 10時半にスタート。集団がゆっくりと動き始める。1キロくらいまでは7分台のジョギング程度のペースだ。沿道ではランナー

          ケアンズへの道17

          ホームレスのいる交差点にちょうど二階建てバスが左折してきた。イベント用の天蓋のないバスで大学生と思しき若者が盛り上がっている。 一人の男子学生が二階からホームレスを指差して 「Hey、You're my brother!」と言う。 娘は「一瞬で兄弟になったで!」と大受け。 夜の道をゲストハウスへと帰る。 入ったことのない、いつものベトナムレストラン。 この角を曲がったら何度も行ったwoolworths。既に閉まっているけど、もう訪れることもないだろう。ケアンズは小さな街だか

          ケアンズへの道17

          ケアンズへの道16

          われわれは喧騒を抜けてエスプラネード方面に歩いていった。公園を通って海沿いを歩く。誰もが使用可能の木製の椅子とテーブルがあり、家族らしき人たちが食事している。楽しそうだ。 海岸には船舶が停泊している。しばらく歩くとホテルもカフェもなく、人もいなくなる。辺りも暗い。 空を見上げる。南半球の星が満天に輝いているが、どれがどの星座なのか。 「二日は短いよなあ。担任の先生にオーストラリアに二日間行くって言ったら驚いてた」 「あと一日あったらどこに行きたい?」 「グレートバリアリ

          ケアンズへの道16

          ケアンズへの道15

          くだんの女性車掌が慌てたように客車に入ってきて、「大丈夫です。踏切に男性が侵入してきただけですから」と言ったが、なぜかこの時、彼女が英語を話したのか日本語を話したのか覚えていない。 ちょうどその時、車窓の目の前で50代くらいの半裸の男性が「俺は何にもしてねえからな!」と怒鳴りながら向こうの方に去っていくのが見えた。右手に紙袋を握っている。オーストラリアでは公共の場での飲酒は禁止されているので酒瓶に違いない。 ケアンズ駅には4時に着いた。 ホテルのチェックインが遅くなったの

          ケアンズへの道15

          ケアンズへの道14

          キュランダ鉄道は改札もなく、検札もない。お兄さんに渡されたチケットは記念乗車券みたいなものだ。 早めに客車に乗り込む。客車もレトロ感満載。ありがたいことにウォーターサーバーが置いてあった。チケットに書いてある番号を探して、三人掛けの赤いビニールの座席に娘と向かい合わせに座る(われわれの座席の横には人が座ってこなかった)。 英語のアナウンスが聞こえてきたが、娘は「しゃべっているの日本人やで」と言う。 しばらくして赤い制服を着た中年の日本人(多分)女性が乗車人数の確認に来た

          ケアンズへの道14

          ケアンズへの道13

          キュランダ村の繁華街に送ってもらい、そこでツアーは解散。お兄さん、ありがとうございました! キュランダ鉄道が出発する2時までは自由行動だ。他のツアー客は3時半に乗るらしい。 その列車にはゴールドクラスという客車が一両だけあって、座席も豪華、軽食や飲み物がビュッフェになっている。 せっかくならと最初はゴールドクラスを予約していたが、2時発にはなかった。3時半発を取りましょうか、と言われたが断った(実質ケアンズにいられるのは今日だけなので早く戻りたかった)。 先ほどから雨かと

          ケアンズへの道13

          ケアンズへの道12

          アーミーダックは米軍の水陸両用車であり、第二次世界大戦で使われた。全長8メートル、50人ほど乗り込むことができる。男性が戦場に行ってしまったので工場で女性が作ったらしい。 河川、沼、海に入るとスクリューを稼働させる。 陸路はガタガタと揺れる。前に座っていた白人の御婦人がバナナを高々と挙げた。 「私、これからバナナ食べるわ」 とみんなに宣言していると思ったが(そんなわけねえだろ)、「これどなたの?」と聞いている。 あ、ビニール袋に入れていたバナナが振動で転がっていったのだ

          ケアンズへの道12

          ケアンズへの道11

          ツアーのお兄さんはバンを走らせながらいろいろと教えてくれる。 「オーストラリアは日本と同じ左側通行で右ハンドルです。左ハンドル車は輸入禁止ですから、日本人にとっては運転しやすいですね。 この道をまっすぐ行くとシドニーに着きます。世界一長い国道1号線です。ケアンズからシドニー間は2590キロメートルで、車で休まず走っても27時間かかります。エアーズロックまでだったら29時間かかります。 オーストラリアではキャンピングカーで海岸線を一周するのがものすごく流行ってます。 ほら、あ

          ケアンズへの道11

          ケアンズへの道⑩

          朝の2時頃にトイレに行くと大雨だった。これは駄目だな、と思った。せっかくツアーに申し込んであったのに。それが6時に起きると嘘のような快晴だった。スーパーでもらったバナナとりんごとフィッシュ&チップスの残りで朝食を手早く済ませて、7時に娘を起こす。いつもならなかなか起きないのにパッと起きた。 ちなみにオーストラリアはキャッシュレス社会なので現金を使ったのは3ドルだけ。ホテルの部屋はエアコン使用が1時間1ドルなので1ドル硬貨を三枚使った。あとは娘に10ドル紙幣を記念にやった。関

          ケアンズへの道⑩

          ケアンズへの道⑨

          フードコートを出て、少し歩くとマクドナルドの前にプレスリーの格好をした全身金色の人形が金色のギターを抱えている。 じっと見ていると、突然動いた。なんだ、人間か。観光客だろうか。ツーショット写真を撮っている人もいる。 彼らの後ろには昼間泳いだプールがあり、近くには観覧車がまばゆい光を放っている。 街を歩いていると、woolworthsを見つけた(ショッピングセンターとは別の)。 今度はバナナではなく、りんごが置いてあり、同様に「お買い物中、お子様に果物をどうぞ」と書いてある

          ケアンズへの道⑨

          ケアンズへの道⑧

          テレビをつけるとCNNでトランプとバイデン候補者討論会をやっていた。娘は興味があるらしく熱心に観ている。1時間休んで街に繰り出す。まずはwoolworths(そればっかりやん)。 スーパーは何度行っても楽しい。 同じフロアにあるCOLESという、これも大きなスーパーに行ってみる。「OLD GOLD」というチョコバーが安売りをしていたので妻のお土産として買ったのだが、日本に帰って食べてみたらこれが今まで食べたチョコの中で断トツに美味しかった。日本のチョコは私には甘すぎるのだけど

          ケアンズへの道⑧

          ケアンズへの道⑦

          ペットボトルの水は250円から600円くらい。 オーストラリアは乳製品が美味しいと聞いていたのでチューブ入りのヨーグルトを買う。 娘はスーパーを裸足で歩いている人に驚いていた。街中を裸足で歩いている人もちらほら見た。 「日本だったら靴を履いてないと貧しい人だって思われるけど、オーストラリア人は気にしないんだなあ」と娘。 woolworthsの近くにはアジア食品店があり、娘はケアンズにアジア人が多いことにも興味を示していた。 非白人の移民を禁じた白豪主義を経て、1960年

          ケアンズへの道⑦

          ケアンズへの道⑥

          オープンカフェのテーブルの上には「鳥に餌をやらないでください」と表示がある。金曜日の朝だけどお客さんがひっきりなしにやって来て、黒の半袖半パンのスタッフがキビキビと働いている。オーダーはテーブル上のQRコードから。 注文したアサイーボウルはシリアルと様々な果物が満載。 美味しい。 通りがかった女性スタッフに「This acai bowl is excellent!」と言うと、満面の笑顔を返してくれた。 娘にはハンバーガーとスムージーを注文。ちょうど日本にいる妻から「どう?」

          ケアンズへの道⑥