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ケアンズへの道11
ツアーのお兄さんはバンを走らせながらいろいろと教えてくれる。
「オーストラリアは日本と同じ左側通行で右ハンドルです。左ハンドル車は輸入禁止ですから、日本人にとっては運転しやすいですね。
この道をまっすぐ行くとシドニーに着きます。世界一長い国道1号線です。ケアンズからシドニー間は2590キロメートルで、車で休まず走っても27時間かかります。エアーズロックまでだったら29時間かかります。
オーストラリアではキャンピングカーで海岸線を一周するのがものすごく流行ってます。
ほら、あの車は屋根にテントがありますが、あのテントに寝泊まりしながら旅をする人たちもたくさんいます」
「レンタカーで一周してみたいな」と娘に言うと、うなずく。
「誰が運転するの?」
「ママだな」(私はペーパードライバー)
それにしても、ツアーの女性の一人が彼の言葉に逐一「へえ〜」と反応するので彼もやりやすいだろう。いい感じである。
「このとうもろこし畑は日本の本州がすっぽり入るくらい続いてます」
これには私も思わず「へえ〜」。
目的の熱帯雨林が近づいてきた。
「熱帯雨林で『アバター』の撮影をしたのは本当ですか」と聞いてみる。
「本当ですよ。今日は霧が出ているので『アバター』の雰囲気がより出てると思います」
スカイレールの始発駅はごった返していた。
四人一組で観覧車のようなスカイレールに乗り込む。
少し上昇してから下を見るとカンガルーの赤ちゃんがワラワラいた。幻視か?と思ったほど。
そしてスカイレールは六甲山のケーブルのごとく空中に達し、壮大な世界最古の熱帯雨林に360度囲まれた。スカイレールの鉄柱はヘリコプターで運び、周囲の土や植物は丁重に保管し、鉄柱を建ててから再び戻したという。
1億3000年前の白亜紀に形成された世界最古の熱帯雨林を現代のわれわれが現代の技術によって眺めているのだと思うと感激もひとしおである。
スカイレールはやがて標高の一番高いレッドピーク駅に到着。5分ほど歩いて別の駅に乗り換える。子どもの頃に図鑑で見たシダ類が生い茂っている。おお、白亜紀にジュラ紀!スケールが大き過ぎる。
乗り換えたスカイレールは徐々に下降していき、キュランダ村にあるレインフォレステーション駅に到着した。
駅にいるツアーのお兄さんと合流してアーミーダックツアーに参加する。
キュランダ村にはヒクイドリが生息しているのだが、「もし遭遇しても近寄らないでください」とお兄さん。大きなものは2メートル近くあるらしい。
「大柄な体躯に比して翼が小さく飛べないが、長距離なら時速50km/h程度で走ることが出来る他、非常に殺傷能力の高い爪を持つ。性格は臆病で気性が荒い。世界一危険な鳥ともいわれる。一方で、刷り込みが強く、1万8千年前には人類が飼っていたする説がある。日本では7つの動物園で飼育されている」
Wikipediaより
そんな怪鳥が目の前に現れたら恐ろしくて近寄るどころじゃないだろう。