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2016年夏 日本一の酷道越え

奈良県天理市にある天理教の「ぢば」。漢字で書くと地場。
ぢばとは天理教でいう人類創造の地であり、夏休みには五日間でこどもたちを含めた25万人もの人が全国から集まるそうだ。いつもは閑散とした天理商店街に溢れる人々を見てみたい。
どうせならマウンテンバイクで行ってみようじゃないか。スマホアプリで調べたら自宅から40キロ、3時間弱で着くではないか、楽勝じゃないかと思っていた。しかしながらそこには大きな陥穽があったのだった。

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大阪市内の自宅からほぼ一直線、1時間で東大阪にある聖地、花園ラグビー場へ。写真では分かりづらいのですが、かなり立派です。

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そこから坂道を登っていきます。

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国道308号。
大阪府と奈良県の県境にある暗(くらがり)峠の入り口。ここは国道としては日本一の激坂であり、別名酷道として地図では自動車通行困難と記載されている。

という事実はあとから知ったことであり、車に乗らない私は当時は知る由もなかったのだったのだったのであった。

「暗峠越えの峠道は国道(国道308号)に指定されているとはいえ、自動車で通行するのは困難なほど道幅は狭く、頂上付近では民家の軒先をかすめながら通行する箇所も存在する。大阪側ではきつい所で最大傾斜勾配31%の急勾配がS字カーブになっており、慣れない者が走行すると登りきることができず立ち往生するほどともいわれる。ヤマハ電動アシスト自転車PAS激坂チャレンジNo.1のイントロでのきつい所の傾斜計での簡易測定では、傾斜角度26度 (勾配48.7%) であった。」

Wikipediaから引用。

おいおい

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もうこの時点でマウンテンバイクに乗って登ることが出来なくて、降りて押しながら登る。

暗峠を一度も足を着かずに登りきったマウンテンバイカーはその栄誉を褒め称えられ、一生をその栄光と共に生き、年寄りになっても孫に「おじいちゃんは若いときにあの暗峠を登りきったんじゃ」と何度も自慢し、嫌われるという。


その栄誉ある称号を勝ち取るために全国から強者バイカーが挑戦しに集まるが、成功するのは競輪選手くらいなものだろう。マジで無理っす。

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ふと足元を見るとクワガタが死んでいる…

思わず一句

「くわがたや 暗峠で 力尽き」

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途中でこのようなのどかな景色もありました。

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この日は猛暑。約4キロの距離をほとんど押しながら1時間かけて登る。汗が滝のように流れ落ち、心臓が何度も止まりかけた。

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右手奥に見えるのが終点にある峠茶屋「すえひろ」。

愛想のいいおばちゃんが、

「あんた、よう登ってきたなあ」

と褒めてくれます。

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「すえひろ」を出ればあとは下りだ^_^

トンネルを抜けて

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快適なり

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と束の間の天国を楽しむと

第二の山越え! があ〜ん((((;゚Д゚)))))))

急流が全てを物語っています。

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15ラウンドを戦い終えたボクサーのようにヘロヘロになって天理市着。
4時間半かかりました。
天理商店街は京都の新京極並みに賑わっています。

汗だくなので子どもたちと保護者に紛れ込んでプールに入る。
せっかくだから天理教の敷地内にある参考館で体力温存のために世界各国の展示物をじっくり鑑賞。ついでにトイレでスマホを充電。

帰りのことを考えると憂鬱だわ。


パレードも花火もパスして商店街のスーパーで水を購入、そそくさと4時半に出発しました。

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生駒山中で日が暮れたら、と考えると必死です。大阪側の下り坂も急勾配過ぎてやっぱり押しながら下りました。

ギリギリ日暮れに間に合った〜〜❗️
摂った水分はトータル5リットル。

9時過ぎにふらふらで自宅着。
よほど疲れた顔をした不審者に思われたのかマンションの駐車場に着くなり、パトカーが止まり、慌ただしく降りてきた二名の警官に職質(泣)。


ばかやろ〜〜❗️

ああ、これが小学生だったら夏休みの日記に今日のことを書いて花マルだったのに。

スマホアプリは最短距離を提示するので山越えの苦しみは考慮しない

という教訓を身をもって知ったのでした。

そう言えば「探偵ナイトスクープ」でも紹介されてたなあ。



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