【タイムのエピソード】
ヨーロッパ、北アフリカ、アジア原産のタイムは
シソ科イブキジャコウソウ属の常緑小低木です。
ケシの実ほどの小さな種からたくましく育ち
体いっぱいに花を咲かせるこのハーブには
さまざまな種類や仲間があります。
見た目で大きく分けると
立性の
コモンタイム(タチジャコウソウ)
匍匐性の
クリーピングタイム(ヨウシュイブキジャコウソウ)
があります。
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タイムの語源は
以下のような類似したギリシャ語にあると言われています。
thyme(香)
thymo(神聖な)
thyeinz(香を薫らす)
thmon(燻香)
thymon(防腐)
Thymus(勇気)
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古代エジプト人はタイムをミイラの防腐処理に使用していました。
また伝染病予防にも利用したといわれています。
紀元前2000年ごろには
現在のイラクで栽培が行われていたという記録があるそうです。
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タイムは古代ローマ時代にも、薬やスパイスとして用いられていました。
タイムの持つチモールという芳香成分は殺菌・防腐力が強く
冷蔵・冷凍技術のない時代に
肉食を中心として来たヨーロッパで
食物保存のための大切な作用をしてきたのです。
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タイムは、ギリシャ時代には
勇気や気品・力の象徴とされていました。
ギリシアの戦士は戦いの前の勇気付けのために
タイムの冠を頭につけたそうです。
また送り出す側も
戦士を勇気づけるために
その出兵時には、タイムの枝を振って見送ったとか。
タイムと勇気の結びつきは中世ヨーロッパまで続き
貴婦人たちは戦いに出る騎士に
タイムの小枝を縫いつけた絹のスカーフを贈る習慣もあったそうです。
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シェイクスピアはハーブをさまざまな作品に取り入れています。
「真夏の夜の夢」では
妖精の王妃ティティニアが休むタイムのベッド話があります。
ヨーロッパでは
タイムの畑は妖精(ようせい)が好む遊び場と言われるとか。
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タイムの花はミツバチが好むハーブの一つで
レモンバームやセイボリーとともに
養蜂(ようほう)植物としても大切にされてきました。
砂糖の普及する以前の
重要な甘味だったのでしょう。
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タイムの花言葉は・・・
勇気
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