「靴を磨いて欲しかった」夫の話。
こんにちは、みきちむです。
今年から1記事につき
「1000文字で書く(若干は誤差あり)」
と決めて更新していきます。
#1000文字のエッセイ
*
お正月、実家に帰った際に父親とゆっくり
お酒を交わしながら話す機会がありました。
お酒が入ると少しおしゃべりになる父。
昔のことを話してくれました。
今日はそのときのお話を少しだけ。
*
去年末、
入籍したので結婚後初のお正月の帰省でした。
(今年は、お互いの実家にそれぞれ帰省)
うちは片親なので、
特にお正月だからといってこれといって
特別なことをするわけでもないのですが、
奈良の実家に父親だけ残している状態なので
一人娘としては気がかりで。
定期的に帰省するのは、
少しばかりの罪滅ぼしのつもりです。
父親とはあんまり相性が良くなく、
お互いに頑固な性格。
意見を曲げないので、喧嘩をしても
仲直りの方法がわからない、不器用な親子でした。
昔の話は、あまり聞いたことがなかったけれど、
最近は自分自身も年齢が上がってきたので、
突っ込んだ話も出来るようになった。
そんななか、子供ながらに
母親と離婚したときの話 というのは
ずっと避けてきた話題でした。
開いてはいけない鍵のかかった箱のような気がして…。
*
父親と母親は当時、お見合い結婚。
母親は結婚当時、20代前半できっと
大人になりきれていないような時期に結婚した
のだろうと思います。(わたしの推測だけれど)
父親は
大学を出てから
ずっと同じ企業で勤め上げた、
会社員=スーツのビジネスマンでした。
そんな父、
母親にお願いしたけど
伝わらなかったことがあったそう。
それは、
「革靴をピカピカに磨いておくこと」。
父の母…
つまりはわたしの祖母は、
祖父の靴を毎日何も言わなくても
磨いていたんだそう。
(これは祖母の優しさだよね)
だから、自分の妻にも
言わなくてもやってほしかったこと
だったそうなんです。
「わざわざ言わなくてもわかってくれる」
って身近な人ほど思いがちなのかもしれない。
それは結婚生活の
ささいなエピソードのひとつだけど、
「もっと話をすれば良かった」と言っていました。
*
今となって「わかる」ということ、
時間が必要だってことがあるんだろう。
時には、
それが何年もかかる場合もある。
生きているうちの後悔は
できるだけ少ない方がきっといい。
身近な人ほど、
「言葉にして」伝えるべきだと
わたしは思う。
「ありがとう」「好きだよ」「愛してるよ」
「ごめんね」「おはよう」「おやすみ」
もっと、
日本語には素敵な言葉がいっぱいあるんだから。
*みきちむ
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