【展覧会】『古典×現代2020 時空を超える日本のアート』 国立新美術館
150年以上前に日本で作られた絵画や仏像、陶芸、刀剣などを、現代を生きる8人の作家の作品と対になるように組み合わせた、展覧会。
組み合わせとしては、下記。
1.仙厓×菅 木志雄
2.花鳥画×川内 倫子
3.円空×棚田 康司
4.刀剣×鴻池 朋子
5.仏像×田根 剛
6.北斎×しりあがり 寿
7.乾山×皆川 明
8.蕭白×横尾 忠則
もうこれが、なんとも素晴らしく!特に好きだった展示をご紹介します。
仙厓:円相図
仙厓義梵《円相図)》 江戸時代 19世紀 福岡市美術館(石村コレクション)
僧であり画家であった仙厓さんの〇。
円は悟りの象徴だそう。
ただ、一つの悟りにとどまることは許されず、書いた〇を消すことで、さらなる悟りに向かえるとされていました。
よって、〇をお茶菓子にみたて、これでも食べてお茶でも飲もうと誘い、円を消そうとしているのだそうです。
これに対する菅木志雄さんの展示は、□と〇がありましたが、〇のほうがやはり平和な印象を受けました。
国立新美術館 HPより
花鳥画:四季草花虫図
市川其融《四季草花虫図》 江戸時代後期~明治初期 19世紀 個人蔵
市川其融さんの絵。草花は紫陽花にユリ、藤、萩、ツワブキ、フヨウ、ツクシなど。虫は、トンボ、カマキリ、アブ、スズムシ、カタツムリ、蝶と、現実世界では、決して一時期にまとまって見ることができない四季を、一枚の絵にギュッと凝縮しています。
華やかで、楽しい絵です。
一方、川内倫子さんは、写真と映像で、現代の自然や生き物をありありと描写。鳥が産まれてくる瞬間や、鳥の群れ、火を空中に投げる映像などは圧巻です。
国立新美術館 HPより
葛飾北斎×しりあがり寿
『富嶽三十六景』は、初めて生で見ることができて嬉しかったです。
江戸時代の人の動きの描写が、とても細やかで丁寧に描かれているなあ、というのとブルーの色使いがとても素敵でした。空と富士山🗻と海と少しずつ変わっていく様子、特に空のグラデーションの変化がとても好きです。
(もともとは36図だったのに、人気が出たので最終的に46図に増えたのだとか)
が、さらにしりあがり寿さんの、すべての絵に対応したパロディ絵がおもしろすぎて(笑)
何度もマスクの下で、爆笑(声も出ていたかも)
例えば、凧はドローンに変更
(パロディ絵はすべて会場でご確認を)
2. 江都駿河町三井見世略圖 Wikipedia
メデューサの洗髪風景に(大変そう)
9. 隠田の水車 Wikipedia
スマホの📡アンテナ基地に
14. 武州千住 Wikipedia
桜の上には、はなさかじいさんが乗って、花を咲かせてくれていたりします
(品川、御殿山付近は、昔はこんな風景が見れたんですね)
20. 東海道品川御殿山ノ不二 Wikipedia
この船は、ロボットのアームが海に落ちたものに変更されています
(とても有名な〇ピュタの・・)
36. 東海道江尻田子の浦略啚 Wikipedia
ほかにも、疲れて終電で帰るひとや、RPGゲームの休憩所、富士山のひげそり、タイタニック、金の斧・銀の斧などクスクス笑えます。
もうこれで、『富嶽三十六景』は忘れないと思います。
さらに別部屋にある、天地創造のビデオインスタレーションが想像を超えています。
葛飾北斎さんは、90歳になるまで4畳半で絵を描き続けていたのかーと思うとすごいですね。
※引っ越しも、生涯で93回されたそうです。
日光・月光菩薩×田根剛
13世紀の鎌倉時代の日光菩薩と月光菩薩(木造 滋賀 西明寺)が光のグラデーションにより、鮮やかに照らされていきます。
祈りと光の空間 国立新美術館 HPより
部屋が真っ暗になる瞬間には、鐘の音と念仏のような声が聞こえてきて、なんともいえないふわっとした居心地と、安心した感覚が芽生えました。
これは、実際に体感してみないと表現が難しいですが、とてもよかったです。
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その他、一本の木から様々にカタチ創られた円空さんと棚田康司さんの作品や、美意識の高い刀がたくさん見れたり、黒光りしている黒曜石が縄文時代に愛用されていたことがわかったり、尾形乾山さんのお皿に皆川明さんのパッチワーク模様が重なると、なんとも味わい深い模様ができたり、曾我蕭白さんの松竹梅図襖は とても繊細な筆使いだなあと感じたりしました。
繊細で、細やかなものを美しい、と思う感性を大事にしたいのと、こんな様々な感性の歴史がある日本はいいな、と改めて実感しました。
ポストカードで、余韻を楽しみます。
●会場風景(6分動画ハイライト)←おススメ
行った方は、ぜひ感想おしえてください^^/
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