第1章 エグゼクティブサマリ
~気楽なついでが生み出すソーシャルイノベーション事業~
日本のGDP(国内総生産)が55年ぶりにランキングが変わり、4位になったというニュースが日本の経済成長の長期低迷を示すように耳に入ってきた。GDPは生産性を競う一つの指標としてグローバル基準化しているが、この指標で国力の成果を競うために無駄と呼ばれるものを省き、効率化に集中する生産性向上は目的合理的を正とする追及に偏り、人間のロボット化にも見えてくる。これに反して、省いてきた無駄や寄り道などの目的合理的でないものに注目するのがついで論である。
ついで論では、ついでという文脈が持つ気楽さを生み出すソーシャルインパクトの可能性に、自己のついでと他者のついでの概念と関係性を捉え、ついで行動により生み出される余白とそこに漂う余韻を循環させ、気楽な社会が広まる効果を探究し、気楽に生きやすい社会と生産性向上の両立を実現する事業構想を論述する。
事業主体として一般社団法人ついで研究所を設立し、気楽なついでが生み出すソーシャルイノベーション事業の第一歩として、経験学習型ついでゲームを開発し企業向け研修を運営する。ついでゲーム事業を第一歩目として選んだのは、ついで概念を広めワクワクする楽しみとして効果的な手段と考えたからである。ついでゲームは従来の研修という堅苦しさから気楽に親しみ易くし、経験学習型ゲームにより、ゲーム後の現実社会でも活用し実践することを想定した練習の場となる。企業向けプログラムから開始し、臨場型、オンライン型の2種類提供する。ゲーム修了後には自己の余白状況を認識し、①隙間と距離を意識的に確保する余白創造力、②問題認識してサポートの声を出すリクエスト力、③経験から得られる「知」をアップデートする経験知力、④運を得る主体的なついで行動力の4つのスキルを身に着け、敢えて遠回りや後回しにより余白を楽しみ、余韻のある生き方も選択できるようになる。
本事業のターゲットは「株式会社〇〇〇〇」「一般企業」「ついでnist」とする。なぜなら、筆者自身が株式会社〇〇〇〇に勤務しており、ついで論と〇〇〇〇の思想に親和性があり、ついでゲームの効果をどの企業よりも発揮できる仲間たちが居ると確信しているからである。これから開発するついでゲームを〇〇〇〇の仲間の協力のもと構築し、〇〇〇〇の掲げる公益人本主義経営の具現化も成果指標とし、他の一般企業へ拡大して社会に広めて行く。
導入期から成長期へ広げるためにはついでゲームのファシリテーターが必要となる。そのために、ゲーム参加し、ついで論に強く興味を持ち、ついでを好み賛同するついでnistにファシリテーター研修を提供する。認定されたファシリテーターはついでゲームファシリテーターとして、ライセンス契約により活動し収入を得ることができる。ついで研究所は主催する研修報酬とライセンス契約を結ぶファシリテーターのライセンス料を収入源として運営し、社会についでを広め、社内、家族、地域で垣根なくついでがめぐる社会を実現する。
ついでゲーム事業が成長し、安定した先には、筆者が一番実現したいと考えている、ついでを好む人たちが集まり気楽に交流する場「井戸端ついで」を開設する。ついで以外お断りの「井戸端ついで」は気楽にできる人ができる範囲でついでをめぐらせ、心地よい余韻を感じる人やモノや生き物の集まりであり、未来がついでで溢れる始まりである。
■つづきを読む
第2章 はじめに
https://note.com/miki_fujitani/n/n6f3031081902
第3章 事業の背景
https://note.com/miki_fujitani/n/nc0c2d053b447