ついで研究所

ついで研究所では、ついでという文脈が持つ気楽さを生み出すソーシャルインパクトの可能性、…

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ついで研究所では、ついでという文脈が持つ気楽さを生み出すソーシャルインパクトの可能性、ついで行動により生み出される余白とそこに漂う余韻を循環させ、気楽な社会が広まる効果を探究し、気楽に生きやすい社会と生産性創出の両立を実現するついでを研究する。

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第1章 エグゼクティブサマリ

~気楽なついでが生み出すソーシャルイノベーション事業~ 日本のGDP(国内総生産)が55年ぶりにランキングが変わり、4位になったというニュースが日本の経済成長の長期低迷を示すように耳に入ってきた。GDPは生産性を競う一つの指標としてグローバル基準化しているが、この指標で国力の成果を競うために無駄と呼ばれるものを省き、効率化に集中する生産性向上は目的合理的を正とする追及に偏り、人間のロボット化にも見えてくる。これに反して、省いてきた無駄や寄り道などの目的合理的でないものに注目す

    • 第4章 理想の社会

       理想の社会を想像する時、思い起こす記憶がある。 9歳頃、放課後に友達が住んでいる社宅に行き、2階に住む友達のベランダの下から大きな声で「はーなーちゃん。あーそーぼー。」と呼んでみる。友達がベランダから顔を出して「今日はピアノだから遊べなーい。」こまかいことは気にせず、その瞬間にお互いの都合と気分で時を過ごす。  今、私は当時のように大きな声で誰かに気軽に声をかけて相談することが減った。自分でどうにかしなければ、事前準備、段取り、時短に追われ、頼る時には契約を交わして明確な

      • 第3章 事業の背景

         日本のGDPランキングが4位へ下がったとあったが、図2を見ると日本は地べたを這うように横ばいである。合理化、効率化を頑張ってきたのに、である。GDPの成長は経済的に豊かになるかもしれないが、今のやり方では長年成長しなかったことは実証済みであり、これ以上合理化、効率化を突き詰めても、それだけでは生き辛くなっていくのではないだろうか。むしろ排除してきたものに目を向けてみる。  『柔らかい個人主義の誕生』 [山崎正和, 1987]では「国家はもともと、民族性や歴史の偶然といった

        • 第2章 はじめに

           筆者が働き始めた2000年は超氷河期世代と呼ばれ不遇といわれる場面が多いが、本人はその時代しか生きていないので当たり前の状態に感じて過ごしてきた。しかし、年齢と経験を重ねると、時代の変化だけでなく自己認識の変化により、自分にとっての心地よい瞬間とそうでないときを理解し始めた。つまりそれは、生産性や経済成長の評価ではなく、「余白のある生き方」と「余白の無い生き方」と言い換えられる。  20代は残業100時間超のハードワークを経験し、30代では結婚・出産・育児も経験し、いかに

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