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「手伝いますよ」と言って手を差し伸べる人になりたいと思った仕事の話。

訪問リハビリで学んだ対応の素晴らしさ

 こんにちは、春野さとみです。私は訪問リハビリとして働いています。
今回、私は同じ職場のスタッフで、このスタッフのここを真似してみたいと思った対応があるので、それを記事にしたいと思います。

 私の職場では、新しい利用者様の訪問に伺う前に、必ず今まで一度でも行ったことのあるスタッフと一緒に利用者様のところに訪問し、どこに住んでいるか、どんな方なのか、どんなリハビリをしているかを直接リハビリしている場面をみながら申し送りを受けます。このことを同行と呼んでいます。病院で働いていた時にはなかったことです。

 その日は、施設に住んでいる高齢の利用者さんのところへ、宮川さん(仮名)と一緒に訪問しました。ちなみに彼は利用者さんからのとても評判がとても良いスタッフの一人です。

 訪問した際、利用者様は、少し疲れていたようで、「今日はリハビリしたくないなぁ」と言っていました。そんな中、宮川さんは「そうなんですね。」と利用者さんの気持ちを受け止めながらも、普段通りリハビリを進めていました。色々とお話しながら、ベッド上で関節を動かしたり、筋トレをしたりしたりしていました。そして「いつも通り、最後に廊下を歩いてみましょうか。」と声をかけたところ、利用者様は「歩きたくないんだけどな。」と言いつつ歩く準備を始めました。そして歩くために、立ち上がろうとしました。しかし立ち上がれない利用者様。いつもは自分で立ち上がれるのに疲れていて今日は思うように力が出ないようです。すると宮川さんは「じゃあ、手伝いますよ。」と優しく声をかけ、手を差し伸べました。すると、利用者さんは、嬉しそうに宮川さんの手を取って立ち上がり、「暖かくて、大きな手だね。」と言いながら歩き始めました。

 この光景を見て、私は素敵な対応だなと思いました。私だったら、「今日は疲れているようなので、やめておきましょうか。」と言ってしまってしまったり、「頑張りましょう。」と励ましていたかもしれません。しかし、宮川さんは「手伝いますよ。」と言って手を差し伸べました。その言葉は、利用者さんにとって励ましになり、その結果、彼女は嬉しそうにリハビリを行いました。「歩きたくない。」と言っていた利用者様が笑顔で歩く練習をする光景、なかなか見れない光景です。宮川さんが利用者さんから人気がある理由が、少し分かったような気がします。

 訪問リハビリでは、一人で利用者さんのお宅に伺うため、他のスタッフがどのように対応しているのかを見る機会が少ないです。一方、病院ではリハビリ室でリハビリをやることが多いため、お互いにアドバイスをもらったり、他のスタッフの技術を見て学ぶ機会が多くあります。利用者様が「リハビリをやりたくない。」、「今日は疲れている。」と言うことは多々あります。その際に、どう対応するかはとても重要だと感じています。自分がつらい時に、「手伝いますよ。」と手を差し伸べられたらとても嬉しいだろうなと思います。こう言う対応のできる人になりたいなと思いました。

 訪問リハビリは朝すぐに職場を出て夕方帰るという、基本的に一人での仕事になります。直行直帰の職場も多いです。今回のように同行した際には、他のスタッフの良いところをしっかり学び、自分のリハビリに活かしていきたいと強く感じました。また、日常生活でも、つらそうにしている人がいたら、「手伝いますよ。」と当たり前のように手を差し伸べたいなと思いました。

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