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介護保険を申請しない方が良い場合

介護保険の申請について、病院勤務時代は「介護保険は、不必要だった使わなければ良いだけなので、とりあえず申請しておきましょう。」と患者さんに早めに介護保険についての申請をお伝えしていました。なぜなら、介護保険は申請から認定が降りるまで一ヶ月程度かかるため、退院前に必要だからと言って慌てて申請しても間に合わないからです。そのため、入院してすぐに、もしかしたら必要になるかもしれない方には早めに申請のお願いをしていたのです。

しかし、訪問リハビリに携わり診療報酬について学んでいく中で、申請しない方が良いケースもあることを知りました。そこで今回は、介護保険を申請しない方が良い場合についてお伝えします。


介護保険を申請しない方が良いケース
その一つに、訪問リハビリや訪問看護のみを利用する場合です。これは、医療保険よりも介護保険が優先されるためです。

例えば、訪問リハビリを利用する場合、介護保険の認定を受けていない場合、医療保険で訪問リハビリを受けることになります。その方が介護保険を申請し認定がおりると、医療保険ではなく介護保険で対応することになります。この場合、医療保険であれば自己負担の免除や一定費用の軽減が受けられる方でも、介護保険利用時には1割〜3割の負担が発生します。結果として、自己負担額が増え、特に若い方や長期にわたるリハビリが必要な方にとって大きな負担となる可能性があります。


実際のケース
以前、身体障害者手帳を持っていた方が訪問リハビリを医療保険で受けていました。この方は医療費が免除されており、自己負担なしで週2回の訪問リハビリを受けていました。しかし介護保険を申請した結果、介護保険での訪問リハビリになり、1回あたり約600円の自己負担が発生しました。週2回の訪問リハビリのため一ヶ月で約4,800円、年間を通じて約57,600円負担、それがもしかしたら一生涯続くと思うと、かなりの経済的な負担が大きくなってしまいました。


医療従事者の知識の重要性
医療職の無知や理解不足によって患者さんに金銭的な負担がかかるケースは避けるべきです。特に、障害や病気で働けない方にとって、医療・介護費用の負担は非常に大きいため、適切な制度利用が必要です。制度についての知識を常にアップデートし、利用者が不利にならないよう努めることが、医療従事者の責務であると感じています。

ちなみに、現在、私が担当している方で、訪問リハビリや訪問看護のみ利用している方は、生まれた時から、または若くして病気となられた方や障害を負ってしまった方がほとんどです。そのような方を、更に経済的に苦しめることの無いようにと言う思いで、今回、記事にさせていただきました。他にも、介護保険を申請しない場合があるかもしれませんので、また分かりましたらお伝えしたいと思います。

今回、このような記事を記載しましたが、極めて稀なケースです。多くの場合は、介護保険は早めに申請をした方が良いと思いますので、よろしくお願いします!!

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春野 さとみ【理学療法士×ワーママ】
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