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19 訪問リハビリの日常【偶然の再会】
「訪問リハビリの日常」は、私の体験をもとにしたフィクションです。登場人物は架空の人物であり、実際の出来事とは異なります。
先日、とても嬉しい出来事がありました。訪問リハビリを卒業した方と偶然再会をしたのです。
その方の名前は「太陽くん」。名前の通り明るく元気いっぱいの男の子。生まれつき障害を持ちながらも一生懸命成長してきた子です。太陽くんは幼い頃療育センターのリハビリを受けていましたが、成長するにつれて自分の事がある程度できるようになり、療育センターでのリハビリを卒業しました。しかし年月が経つうちに再び動きづらくなり、訪問リハビリを開始することになりました。
訪問リハビリを開始した頃の太陽くんは、少しぎこちない歩き方でした。そこで、関節を柔らかくするストレッチやマッサージ、筋力強化訓練、日常生活動作の練習を行いました。半年が経つ頃には動きが改善され、訪問リハビリを卒業することになりました。
太陽くんのお母さんとは、同じ子育て世代ということもあり、リハビリの中でいろいろな話をして仲良くなりました。
再会の瞬間
そして先日、朝、訪問先に向かおうと病院の駐車場を出ようとしたときのことです。道を譲ってくれた車があり、ふと見ると、なんと太陽くんのお母さんの車でした!太陽くんを学校に送る途中だったようです。車の中から手を振ってくれました。私は嬉しくなり、思わず車の窓を開けて「ありがとうございます!」と声をかけました。
すると、お母さんも車の窓を開けて「元気にしてるよ!」と笑顔で応えてくれました。助手席に座っていた太陽くんも、私に向かって手を振ってくれました。赤信号で待っているほんの数十秒の短い時間でしたが、胸がじんと熱くなるような瞬間でした。
リハビリの仕事への思い
私は訪問リハビリの仕事は「生涯を通しその方の人生に寄り添う」仕事だと思っています。太陽くんのように一度卒業しても、また必要があればサポートする。それが訪問リハビリの役割だと感じます。
病院に勤めていた頃も、退院した患者さんが会いに来てくれたり、手紙をくださったりしたことがありました。直接、感謝の気持ちを伝えていただける瞬間は、心から「リハビリの仕事をしていてよかった」と思える時間です。
こうした経験があるからこそ、大変なことがあっても頑張ろうと思える活力になります。
来年への決意
今年はこの温かい気持ちのまま仕事納めができそうです。来年も、一人でも多くの利用者さんに感謝されるようなリハビリを提供できるよう、さらに努力していきたいと思います。
この話は私の体験をもとにしたフィクションです。そのため、内容は創作であり、登場人物は架空の人物です。
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