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回復期スタッフの方の発言にモヤモヤ

先日、退院前カンファレンスに参加しました。退院前カンファレンスとは、簡単に説明すると「患者さんが退院する前に行うとカンファレンスで、入院中の担当スタッフから退院後に担当するスタッフへ申し送りを行う会議」のことです。その時に聞いた、入院中のリハビリ担当スタッフの発言に少しモヤモヤしたため、整理したいと思い記事にしました。

モヤモヤした発言

その発言とは、
「もう少し良くなると思ったんですが、あまり良くなりませんでした。そのため、退院後にあまり良くなることはないと思います。」
というものでした。

 この発言を聞いて、私は「本当に患者さんは良くならいのだろうか?」と疑問を感じました。


患者さんの背景

 実はこの患者さんは、もともと訪問リハビリを受けていた方です。

訪問リハビリ開始前は、家の中もよたよた歩き、布団から起きる事ができず介護ベッドをレンタルしており、自宅の階段でも尻餅をついてしまうと言う経緯から、訪問リハビリを導入することになりました。訪問リハビリを開始して半年ほどで、家の中も独歩で歩けようになり、布団から起きれるようになり介護ベッドも返却することができ、階段もスムーズに昇降出来るようになり、訪問リハビリを卒業されたと言う経緯があります。

その方が、屋外を歩いている時に転倒して圧迫骨折をしたことで入院し、リハビリを受けていました。今回の退院時点では、以下のような状態です。

• ベッドから起き上がるのがやっと
• 家の中では独歩や杖で歩くのは危ないため、歩行器のレンタルが必要
• 階段は休憩を挟みながら軽い介助で昇降できる

入院当初の予測では「もっと良くなるだろう。」と回復期のセラピストは予測していたようですが、思うように良くならず、当初の予定より退院が半月ほど延期されました。それでも良くならず、「思ったよりも良くならなかった」という評価が下されました。

なぜ良くならなかったのか?

この「良くならなかった」という結果について、私は単に患者さんの能力の問題ではなく、リハビリの方法やアプローチに改善の余地があったのではないかと感じています。

良くならなかった理由を探る重要性

「良くならなかった」と簡単に結論づけるのではなく、その理由を探り、適切なアプローチを模索することがリハビリスタッフには求められると感じます。
良くなるはずの人が良くならなかった場合、必ず理由があるはずです。

今回の患者さんの場合、痛みもなく、認知機能の低下も軽度で、リハビリへの協力度も高かったようです。それでも改善しなかった原因を追求することで、今後のアプローチに生かせるのではないでしょうか。

私の今後の決意

この患者さんは退院後に再び訪問リハビリを受ける予定で、私が担当します。回復期病院では「良くならない」と評価された患者さんですが、私は訪問リハビリの場で必ず改善させる気持ちです!

私の過去の経験

私は以前、急性期病院そして回復病院でも働いていました。その時に、先輩に言われたことが今でも印象に残っています。そのセリフは「患者さんは時間の経過で自然に良くなったのか、それとも私の行っているリハビリのおかげで良くすることができたのか、きちんと考えなければいけないよ。」と言うセリフです。急性期病院や回復期病院の患者さんは日にちの経過が経てば、またはどんな運動しても活動量が増えれば、自然に良くなる方もたくさんいらっしゃいます。そうではなく、より短期間でより効率的に良くすること、または正しいアプローチをしなければ良くならない患者さんを良くすることがリハビリスタッフのプロとして求められることの一つだと思います。


以上、私の思考の整理と考察でした。
リハビリスタッフとして、同じような経験をお持ちの方がいらっしゃれば、ぜひ意見を聞かせていただければと思います。

※患者さんについては、プライバシーの観点から問題ない範囲で一部内容と異るように記載しています。

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春野 さとみ【理学療法士×ワーママ】
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