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「台所から始まる物語」

人や物事のいいところを探しながら、どうにかここまで生きてきました。そうやって見つけた「いいところ」が、今の自分を支えている気がします。

新しい職場での一日。
個性豊かな人たちが集まる職場で、園長先生がポツリと漏らしました。
「人手が足りなくてね。いい人が来てくれなくて困るのよ」

「園長が言う“いい人”ってどんな人なんだろう?」と思いながら話を聞いてみると、それはどうやら「自分の思う通りに働いてくれて、文句を言わない都合のいい人」のことらしい。

副園長のひとこと。
「このままではいけないと思っているんです。力を貸してほしい。期待しています」

私は思いました。
「どんな理由で、このままではいけないと思っているんだろう?」

話は体調不良でお休み中の栄養士さんの話題に。80歳になる元職員の方が応援に来てくださっていると聞きました。

その方の言葉。

「26年間この厨房で働いてきたけど、今の栄養士さんはダメね。やり方を教えているだけなのに、すぐ落ち込んだりパニックになったりして」

そこに園長も加わります。
「今の若い人は打たれ弱いからね。私たちの頃は、毎日怒られながらやってきたのに。何事も“受け取り方”が肝心なのよ。教えてもらってありがたいと思わなきゃダメよね」

……なるほど。
栄養士さんが困惑する姿が目に浮かびました。

私も以前、給食センターで働いていた時、先輩方からよく聞いた言葉を思い出します。
「昔はもっと大変だった。でも、だからこそこれから働く人たちとはお互い気持ちよく働ける環境を作っていきたい」

あの先輩たちの「経験を活かす」姿勢のおかげで、楽しく働く事ができたのだなと改めて思いました。

実は、私は料理が好きだったわけではありません。
子どもの頃、台所は「怒られる場所」だったし、実家ではほとんど料理をしませんでした。

でも、結婚してから少しずつ覚え、娘が生まれてさらに「食」を通じた思い出が増えていきました。
娘が小学校に上がる時に給食センターで働き始めた私。
「今日の給食のカレーおいしかった!お母さんが作ったの?」
「今日はね、カレーの野菜を切ったよ。あとサラダの味付けもしたんだ」
そんな娘との何気ない会話が、私の原動力だったことを思い出します。

そして、最近改めて思うのです。
必ずしも好きなことを見つけようとしなくてもいい。

目の前にあるものに取り組んでいるうちに、たどり着く場所があるのだと思います。

そんな人がここにいます(笑)

人生はいろいろ。

楽しみながら、試行錯誤していきます。


新しい職場では、どんな展開が待っているのでしょうか。

過去の経験に感謝しながら丁寧に自分を見つめていきたいと思います。

これからも、人や物事の「いいところ」を探しながら。

おかげさまで、結構得意になりました。

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 きよみ
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