ざわざわと

ステロイド治療中の娘が風邪を引き
本人の想定を遥かに上越して
悪化していた
夜私が帰り着いた時には
痛々しい程に弱っていた

彼女の部屋は
蔵書とぬいぐるみのために
湿度と換気を押さえているので
カラカラで熱く
その中で過ごしていた彼女は
発熱しており
思わず抱くと
何か良くない強いものが
私の掌や腕や触れた胸などから
ざわざわと私に流れ込んできた

これは絶対に良くない

迷わず居間の奥の私の寝床に寝かせ
冷やし始める
OS1を飲ませ
粥を炊く

思い付いてドラッグストアに向かう
葛根湯加川キュウ辛夷を彼女に
補中益気湯を国試を控えている息子に
もうひとつ娘に口内に貼るトローチを買う

正解だったようで
鎮痛剤で頭痛と熱を押さえて
ちゃんと眠れた彼女は
今朝は鼻水や痰が排出され始めたようだ

彼女からきたざわざわが
未だに私の両腕にいる
いくつかの可能性を考えるがどうにもならない
その時その時の
最善手を打っていくしかないのだと
大学病院からの電話を待ちながら
腹をくくる