「不本意」の毒
息子は10歳を越すあたりから
笑顔が減り口数も減り
両親に言われたことに
反抗はしないものの
従いもしないような状態だった
中2春から不登校になったが
そこに至るまでも苦し気だった
自分の口にした目標を
自らが裏切っていくような
それによってさらに傷付いていくような
在宅不登校になった彼を見ていて気が付いたのは
「全てが不本意」なのだろうということだった
不本意ながら学校へ行き
部活をし時々塾に行き
朝起きて父とランニングをし…
彼はどこか強固なので
行動としては「従い」ながらも
決してそれに「慣れ」るまいと思っていたのだ
それが彼の彼なりの「主張」だったのだと
今考えればよくわかる
大人になるということは
不本意を飲み込むことだと
支障ない程度には周りに合わせることだと私もどこかで思っていたのだと知る
ぐるりと考え合わせ
結局は「不本意」が毒であり
だから息子は動けなくなっていたのだと
だから私は自分を許すのに手間隙がかかるのだと
そういう考えに至って
ちょっと茫然としている
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