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「カメラがほしい→スマホでよくね?」

よくSNSで見かける、噛み合っていないやりとり。「今度カメラを買おうと思うんですけど、何がオススメですか?」→「スマホでよくね?」。苦笑。

まず答える側の問題。そりゃまあ、日常的な場面での撮影はたいていスマホで間に合うという人も多いでしょう。画面上で写真を見たり、SNSにアップしたりするのがメインの人は利便性の点からもスマホ(だけ)でいいと、私も思います。おそらく件の回答者はそういう方なのでしょうね。

ですがねえ。件の相談者がわざわざ「カメラがほしい」と書き込んでいるということはスマホでの撮影に飽き足らなくなっているということに他ならないであろうことは、容易に推察できると思うのですが・・・。いち写真ファンとしては「せっかくディープな写真の世界に足を踏み入れようとしてくれている、仲間になってくれそうな人がいるのによけいなことすんじゃねえよ」と思う次第です。あ、ちょっと表現が下品で申し訳ありません💦

それはさておき、相談者側にも問題なしとはしません。回答のヒントになる条件をもう少し提示してほしいところですね。私もよくこの種の質問をされますが、どんな雰囲気の写真を撮りたいのか、主に撮りたい被写体・題材は何なのか、撮影後の鑑賞方法(プリントする?しない?)はどうしたいのか、そもそもご予算は?などがわからないととてもアドバイスしにくいのですよ。「いやいや、そんな難しいこと初心者にはわからないでしょ。まずは撮ることを楽しみたいんでしょ?」という話かも知れませんが、それはそれで難しい話です。というのも「撮ることが楽しくないカメラ」というのもまた存在しないような気がしますので。・・・という話になると途端に詰んでしまいそうなので、この辺でやめておきますが💦

また、SNS上では「初心者こそ最高級機種を!」と仰る向きもありますが、私はそうは思いません。まあ、意図はわかります。高級機種は一般的に言って多機能・高画質ですから、対応できる被写体・題材も多いでしょう。が、だからといって場合によっては車一台分の値段がする高級機種を初心者に買え、などとは、私なら怖くて言えません(苦笑)。持て余すことも多いでしょうし。そうなると、やはり比較的安価なレンズ交換式ミラーレスあたりから始めて、徐々にステップアップしていく方が現実的かなと思うのです。

いずれにせよ、かつて写真を撮るという行為は特別かつ非日常的なものであり、必然的にカメラもまた特別な存在でした。例えば「写真を撮り、発表をする」という今なら10秒ほどで可能(しかも世界中に!)な行為が、かつてどれほど手間がかかったことか。そう考えると、一家に一台どころか一人に一台カメラ(を内蔵したスマホ)が行き渡っているかのような現実を見るにつけ、「スマホでよくね?」という回答には現代人の写真との接し方の最大公約数が表れているような気もするのですが、さていかがでしょうか。


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