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三龍戦騎RPG復刻リプレイ 第6話 裂空花の夏 第1章
この記事は、以前サイトに掲載していた空想科学恐竜TRPG「三龍戦騎」のリプレイを、ほぼ当時のまま復刻掲載したものです。最低限の校正のほかは手を加えていませんので、ご了承ください。
なぜいきなり第6話?
当時のキャンペーンは50話に及び、リプレイも複数あるのですが、先刻ツイートしていて、ふと天魂という種属の過去設定が気になったので、天魂の設定が多く語られるリプレイ第6話を掘りだしてきた次第です。
天魂の共生宇宙植物「裂空花」がテーマになっているシナリオで、宇宙的スケールの生態系の一端を感じられるでしょう。
三龍戦騎RPG 試験遊戯録
第6話 裂空花の夏
(再編集版)
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2005年8月3日、夜9時より、三龍戦騎開発団のチャットにて有線遊戯を行った。コミックマーケット68出展の9日前という、なんとも切迫した日程である。今回は、シンテツ兵の新設定〈拡張筐体〉が上手く機能するかどうかの試験が目的である。
登場人物(PC)
シンテツ兵「三島キヨミ」(現行ルールにより新たに作成)
ゲキ:シンテツ兵の少女。技術研究所が試験的に製作したシンテツ兵で、異文化交流に特化している。
シンテツとの協調に不必要な龍魂などの能力値が高い(笑)。そのため、非力で不器用。
トモガミ:個体名ホムラウメ。キヨミが完全な試作品なので、一番汎用性の高いカワキタ型として不運にも選ばれた。
ゲキ:三島キヨミ(女性、16歳)
「プロフィール」
身分:シンテツ兵(Lv.1)
所属:三龍帝国軍(階級:六等小根)
国籍:第192工廠
出身:技術研究所(試作機)
言語:三龍帝国語(共通語)
関連組織:カワアガニの知り合い1名(友好関係)
冒険目的:(無謀にも)ファーグニル軍の強い戦車や戦闘機と戦いたい
「能力」
体力:1
技術:1
知性:3【砲術+1(4)】【完全変装+1(4)】
魅力:5【マブイツジ+1(6)】
龍魂:5
***
生命:13 和魂:14 キズナ:シンテツ1(4) 根性:5
「その他」
所持品:武器【短機関銃】
防具【軽抗弾服】
外見特徴1:金髪碧眼、長髪、作戦時は「おさげ(らんま(@高橋留美子)の髪型)」
外見特徴2:顔の骨格はハーフ(アングロサクソンとモンゴロイドが混ざっている)
外見特徴3:身長160cm(体重は秘密)
トモガミ:炎梅(ホムラウメ)
「プロフィール」
種族:カワキタ41型(小型陸上用シンテツ)
性別:なし
全長:3メートル
環境:草原
キズナ難易度:13
生命:15
白兵ダメージ:なし
「能力」
体4(2.5)
動5(3.0)
知6(4.5=4)【対空戦闘+1(5)】【間接射撃+1(5)】【騎乗索敵+1(5)】【騎乗砲術+1(8)】
「武装・装甲」(合計重量:8)
武装:3式重機・甲(重さ:2:弾100発)、66式無反動砲(重さ:2:弾4発)
装甲:第1種装甲21型(重さ:2)
その他:イ型61号電探(重さ:2)、弾道演算装置(重さ:0)
天魂「藤原恋秘歌」(ふじわらのれんひか)
天魂。外見は三龍人の幼女型。メモ帳を持ち歩き、ネタ探しをしている。同人絵草子作家。交渉能力が高い。ボヤギンとは同好の士らしい。
レベルアップにより、DJ(?)技能1レベル、金融技能1レベルを取得した。
「体力」1:
「技術」4: 【野戦調理1(5)】 【同人誌作成1(5)】 【舞踏1(5)】 【おしゃれ1(5)】 【DJ1(5)】
「知性」6: 【星界の伝説1(7)】 【金融1(7)】
「魅力」3:
「龍魂」1:
生命:13 和魂:24
キズナ:天魂2(8) 根性:6
出生:至星連絡会の末端構成員家系の子株 所持金90万
関連組織:シンテツ兵の友達がいる。
冒険目的:困っている地上人を助けたい
(トモガミは前回同様なので省略)
ガルナス・メイ「ドロン=ボカン=タイム=ボヤギン」
星覇に萌えやすいという意味で、典型的なメイ。ウツロヒの身にしては、機刃守としての腕も悪くない。
前回、キズナレベル2(特例措置)だったので、キズナレベル3に成長させた。神器〈30型増槽〉を取得し、多少は蘇龍機の飛行が容易になった。
リガ、7歳
機刃守、丁稚、機刃手見習い
「国籍」ガーグ宗王国(ガルナス帝国)「種属」ガルナス=メイ
「言語」ガルナス語、星覇語
「等級」2
「体力」:1【泥縄修理(体力)1】
「技術」:3
「知性」:7【支援要請(知性)1】【航空戦術(知性)1】 【星界考古学(知性)1】
「魅力」:4【星覇萌え(魅力)1】
「龍魂」:1
生命:19 和魂:18
キズナレベル:蘇龍機3(今回の遊戯録中はキズナレベル2で判定しているが、正しくは3)
根性:7
ソウデン型蘇龍機「ザンアグメガ」
知【トモガミ判定値(4)】【トモガミ技能:〈騎乗ヤシャダマ1(5)〉〈高機動射撃1(5)〉】
体【トモガミ判定値(3)】【トモガミ技能:なし】
動【トモガミ判定値(6)】【トモガミ技能:なし】
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蘇龍機は、メイ属が運用するドラゴン型兵器
第1章
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足元にいるのは甲殻爬虫人類ガルナス・メイ属
海城京(うンぐすくきょう)。100万の人口があり、様々な人種が様々な物語を生み出す街。
恐竜、爬虫人類、黄金の毛並みをもつ獣人など雑多な種属が行きかう表通りに、赤瓦と珊瑚造りの屋根が幾重にも連なっている。
その街なみの彼方には、三龍晴れの強烈な日差しの中に、山のように巨大な〈天航船〉の遺跡がそそり立っている。ここもまた、央天青の首都〈央天京〉同様、天航船の遺跡産業から発展した街なのである。
天航船の遺跡とはいえ、〈浄化院〉によるキョウコツ掃討作戦はとうの昔に終了している。
海城京の領主の許可さえあれば、かなり自由に遺跡の探索を行えるので、学者だけではなく、遺跡荒しや、自称・冒険家たちにとっても格好の稼ぎ場所であった。
そんな彼らの落とすカネ目当てに、遺跡周辺に市街が発展していく。
地元の人間は、日差しの強い日中は出歩かないものだが、恋秘歌は、ほとほとと街路の日陰伝いに歩いていた。
天精花は身体が小さい。幼児と見まがうほどの非力な身体のあちこちには、きゃしゃだが美麗な、透明な花弁がいくつも生えている。
小さな天精花は、頻繁に通り過ぎる剣竜類の荷車に、うっかりすると踏み潰されそうになる。
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三龍人が乗った剣竜類や鳥脚類ならまだいい、ダイオウワニやジゴクカミツキに騎乗したカワアガニの乱暴な走りっぷりは、非常に危険だ。
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天魂球に乗っておけばいいのだが、自分の足で歩くのを好む天魂もいるらしい。
それに、紫外線が強く、ときとして曇りの日でも日焼けする三龍帝国においては、天精花はもちろん、天魂球が日焼けしないよう、細心の注意が必要だった。
恋秘歌は、とある地味な商店の裏口で立ち止まった。小さな手で背伸びしながら、ドア開け棒をノブに引っ掛け、古びた木戸を開ける。
ナミトウゾクリュウを従えた警備天魂が、無言でうなずく。恋秘歌は、そのまま天魂球と供に、地下室へと降りていった。
外見とは裏腹に、薄暗い地下室の内部は、最新の設備だった。空調すら備わっている。幾つかの巨大な円筒水槽には青白い栄養液が満たされ、上級の天魂たちが浸って、疲れを癒していた。
ここは商店などではなく、天魂たちの連絡組織〈志星連絡会〉の支部なのである。
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【場面1:海城京/〈志星連絡会〉支部】
GM(清水三毛) すみません、シナリオがやっと出来ました。ボヤギンと恋秘歌はレベルアップしてませんでしたっけ?
Kさん(以後、恋秘歌) レベルアップと能力値の再設定しました。掲示板の方にアップしますか?
Aさん(以後、ボヤギン) 前回、レベルアップできるだけの経験値はもらいましたなあ。再UPします?
GM そうですね、では、取得技能など変更箇所だけでいいので、ここかBBSに掲載願えますか? どうもお手数をおかけしまして……。さっきまで小諸ソバで夕食を食べていました(笑)。恋秘歌さんの諸元を拝見。……DJってなんだーーー!!? まぁいいか(笑)。
キヨミ あ! GM! 自分の方もチェックよろしくお願いします。
恋秘歌 成長で〈金融〉金融技能を取りました。判定してよろしいですか?
GM キヨミさんの諸元、拝見しました。大丈夫だと思いますよ。
恋秘歌 DJ……大豪院邪鬼の略(笑)。
キヨミ ボヤギンと恋秘歌は【オタク仲間】なんですか(汗)。
GM なるほど、ボヤギンは、成長にともなって神器「増槽」を取得ですか。手堅いですね。
ボヤギン 前回の冒険ではボヤギンは、巨大台風〈豪嵐〉をつっきり、ダイマオウマクガンを持ち上げ、そして着地に大失敗し、いろんな意味で伝説となったのです。
GM 金融技能、大丈夫ですよ。生活費についてですが、前回から2週間(日本語訳)たってるので、ボヤギンは20万、他の方は10万リン消費してます。〈金融〉で判定していいですよ、難易度は普通に11で。
恋秘歌 とりあえず資産運用で資金を増やします。未来のラジオ局のために!
ボヤギン 20万リンか……前回の報酬全部トんだな。蘇竜機は整備に金がかかりすぎる……。
恋秘歌 サイコロが5で結果が12、成功。
GM んじゃあ、恋秘歌の全財産が+10%されます。ではそろそろ開始しましょう。
恋秘歌は、海城京の志星連絡会の支部に呼び出されています。任務のようです。連絡会の支部に行くと、薄暗い室内で、天魂球が幾つも栄養液にひたってくつろいでいます。
恋秘歌 いかん、ひょっとしたら前回の騒動がバレたとか。
キヨミ 怪しい光景ですね……。
GM お咎めではないです。恋秘歌は、友達の天魂・紺嶺花(こんれいか)とお話しています。紺嶺花は、外見は6歳ぐらいの幼女人形で、長い黒髪が綺麗な天魂です。
GM/紺嶺花 「上から指示があったんですけどね。那魏巳(ナギミ)という町にウツロヒ仲間と出張してほしいそうですよ」と、栄養液を水晶杯ですすりながら、恋秘歌に言います。
恋秘歌 出張ですか。大まかな仕事内容は教えてもらえるのかな。
GM/紺嶺花 「あの町は今、我々天魂が政権を握っているのですが、そこで揉め事のようです。〈裂空花〉の開花が迫っているのですが……それを、誰かが邪魔しているとか」(ちゅちゅー)←栄養液を吸っている
恋秘歌 裂空花? ちょっと首をかしげながらメモ帳をめくろう。
GM うん、ボヤギンやキヨミも、もう同席して聞いてるってことでいいかな。
ボヤギン 「裂空花というと、あの……」
GM 裂空花とは、10年に一度、開花して、成層圏にむけて巨大な種子弾を打ち上げる巨大植物。元来、宇宙植物だったという。その際の爆発半径は約1キロに及ぶ。成層圏に帰る天魂たちが利用するために、保護育成することが多い。
ボヤギン くりくりと、鳥っぽく首を捻る。やっぱりこないだ掲示板で話題が出てたアレか。
GM ちなみに、なぜキヨミさんがココにいるかというと……アカマツ百騎長が、「あ。キヨミさん? 志星連絡会から連絡があったので、ちょっと行ってくださいます?(強制)」てなかんじで。
キヨミ 相変わらず、強引なんですねアカマツ百騎長。
恋秘歌 爆発半径1キロか。邪魔したくなるのも判るけどね。周りに街でもあれば大変だ。
キヨミ 敵対勢力はどの様な組織なのか知りたいですね。
恋秘歌 「お互い下っ端はつらいわねえ」と、椅子の上に乗ってキヨミの肩を叩く。
GM/紺嶺花 「うん、10年前、現地でもモメたんですって。でも、そこの領主様の決定で、裂空花の保護が決まったらしいです」
キヨミ (わかります?)という表情で恋秘歌を見返す。
GM 紺嶺花の話では、何者かが、打ち上げ間近な〈裂空花〉に対し、破壊工作をしているとか。詳細は不明。
キヨミ 現地を支配しているのは天魂でも、そこの住民はどの様な種族が?
ボヤギン (?)女性二人のアイコンタクトに首を捻る。
GM/紺嶺花 「行政が打ち上げ許可処分をしたからって、地元全てが納得するとは限らないもんねえ。現地の住民? 那魏巳(ナギミ)は海辺の町だから、アガニとかがいるかもしれないですね」
ボヤギン 「周辺の地図貸してくれない? 何かの役に立つかも」
GM 地図を貸しました。
キヨミ 「ま、またもや海辺ですか! 私のホムラウメは陸上用シンテツなんですよ!」
GM/紺嶺花 「……ダメなシンテツ兵ね(ボソ)」
恋秘歌 うわ、紺嶺花性格わるっ。さすが恋秘歌の友達。「海ならまだいいじゃないですか、私なんて前回、生身で空を飛んだんですから」
GM/紺嶺花 「那魏巳町にも、〈筐体屋〉ぐらいあるから大丈夫だと思いますよ(笑顔)」と、キヨミさんにいう。
キヨミ 「海に出ることになった場合、素敵アタッチメント(拡張筐体)を借りる必要経費を出していただけませんか?(笑顔を返す)」
恋秘歌 「必要経費はちゃんと払ってもらいましょうか。準備不足で失敗しましたじゃお話にならないわよ。戦闘で壊れた場合の保障もお願い」
GM/紺嶺花 「……うぐっっ……わかりましたよ、上と掛け合ってみますよ」
ボヤギン 「戦いのために金を惜しむなと、神は仰せでありますよん?」
キヨミ 「流石♪ よろしくおねがいしま~す♪」(恋秘歌に目配せする)
GM/紺嶺花 「うぐぐぐ。わかったわよぅ」
GM 現地まではトモガミの足で1日かかるから、着後、キズナ判定アリです。あっ、開幕時のキズナ判定も一緒にしてください、忘れていた(笑)。それぞれのキズナ判定値で、トモガミのキズナ難易度を目標にダイスを振ってください。
恋秘歌 最初がサイコロが9で17、+5成功。2回目がサイコロが8で16、+4の成功。
キヨミ うぇ~い! キズナ判定【1ゾロ】です♪ 失敗してなかったら恋秘歌をホムラウメに載せてあげようと思ってたんだけどね……。
GM ピロン♪ 恋秘歌は武魂4点を入手しました。(ゾイド∞風)
ボヤギン 両方成功。
GM キヨミさんはキズナ判定に大失敗してますな。シンテツの整備に失敗したということです。キヨミがホムラウメの大事な部品をなくしてしまう。さがすのに30分かかる。
キヨミ ちなみに2回目は成功しています。
GM ピロン♪ 武魂2点を入手しました(ゾイドry>ボヤギン
ボヤギン 「まだ見つからないのん? 先行き不安だわさねえ」
キヨミ じゃあ、多分、冒頭の部分でキヨミは遅刻したんだろうな~(遠い目)
GM キヨミは武魂1点を入手。
恋秘歌 サイコロの出目が良かった。これで私も変身出来るかも。
GM あと二点で「樹神形態」になれますね。
キヨミ 恋秘歌もビオランテにポケモン進化ですね♪
GM ポケモンじゃない、「武魂発動形態」です(笑)。
恋秘歌 「今回、私は金物二つと行動するのですね。支援し辛い相手と組まされるのは優秀なのか窓際なのか」
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【場面2:那魏巳町】
GM 全員、那魏巳町に到着しました。沖縄の田舎町のような、のどかな南洋の街です。通りを歩いてみると、やけに天魂がたくさんいますね。天魂の町ですから。
恋秘歌 「ああ~日差しが気持ち良い。絶好調って感じよね~♪」
キヨミ ガルナスは居るんですか?
GM/ある通行人ガルナス・ダガン 「待ってくれ! ワシは、ワシは! おぬしがいなければ、我が家は滅んでしまうーー!!!」(絶叫)
GM/天魂 (ダガンから逃げつつ)「ご免なさいガルガ様、わたしやっぱり、お空に帰ります」(たたた……)←走る音
キヨミ あれっすね、宇宙に行きたい天魂と、天魂萌えのガルナスとの悲しい別れ。
恋秘歌 座敷わらしみたいね。
キヨミ 分かった! 今回の敵は、天魂萌えのガルナス・ダガンの過激派だ!!
ボヤギン 「ふっ、みっともないダガンだわねえ」
ガルナス・ダガン属は屈強な爬虫人類であるが、幼女植物人形である天魂属に熱をあげる傾向があるといわれる。
恋秘歌 「私には理解できないけどね たった一人きりで天界に帰ったって寂しいだけじゃない」
GM 周りの天魂がわらわらと、ボヤギンの騎体に群がります。「わあ、蘇竜機よ」「大きいわねえ」「金物くさいですねー」等と。
ボヤギン 「……そう、だな。お前一人行かれると、少し、寂しい」急にシリアスになって、恋秘華に言います。「そして、一人のお前を想像すると、とても、悲しい。それに、」
キヨミ ボヤギンさんが引き付けてくれたお陰でホムラウメはなんの苦情も言われなかったようね♪
ボヤギン 「……お前の作る同人誌が読めなくなる(笑)」と、ギャグで落とす。
GM/紺嶺花 「遅かったですね、皆さん」
恋秘歌 どうせなら「お前となら天界の果てまででも一緒に行こう」とか言えば格好良いのに。
キヨミ あれ? クライアントさんも来るんでしたっけ? 素で驚いてる。
ボヤギン 「なっはっは、凄いでしょん? 龍王機になれば宇宙だって飛べるんだぞぅ、ガルナス・メイの科学力は世界一ィィィィッ! ジュピッチャア!!!」と、周囲の天魂にさえずっておく。
恋秘歌 「そんな事いうと、ダガンに何されるか判らないから止めなさい」(ガルナス・メイとガルナス・ダガンは、種属としては近いものの、政治的に対立している)
GM/紺嶺花 「連絡会・海城京支部のお目付けってことで、行きなさいって言われたの。よろしくね」
キヨミ 「こちらこそ、よろしくお願いします♪」
……で、このヒトの本体はどんな格好なんですか?
GM 〈雪華〉ですね、普通に。大きな植物球が、植物幼女人形の背後に、常に浮いてます。
キヨミ (恋秘歌とボヤギンってツッコミとボケなのかしら……)とドキドキしながら思っています。
恋秘歌 紺嶺花がお目付け役ってことは、〈志星連絡会〉上層部は、私を、放っておくと何をするか判らない危険人物と認識しているのかな。
「どうせなら皆で天界に行けるように頑張るべきよね」
GM/紺嶺花 「そうなのかな、やっぱり……」独り言のようにいって、ちらと恋秘歌に視線を投げかけます。
キヨミ 恋秘歌と紺嶺花のやりとり、イイ!
一同は、那魏巳町の表通りを歩いていく。
熱い日差しのなか、カミナリ竜やヨロイ竜に荷車をひかせ、家財道具を運び出しているダガンの武家や、かれらに付き従っていく天魂たちの姿が目立つ。この街を離れていく人々だ。
やがて、赤瓦や藁葺きの屋根の向こうに、高層建築のような巨大な剣がみえてきた。星覇王国にそびえる大紅樹林の巨樹ほどもある。
職人が削りだした金剛石のように、透明で、複雑な反射面をもつ結晶の塔が、花弁を広げるように、幾つも天空にそそり立っていた。
裂空花である。
GM 町の奥、海辺のほうに、高さ100メートルほどもある巨大な水晶塔のような植物体が見えています。〈裂空花〉です。
キヨミ 水晶! 生物じゃないの?
GM 町のあちこちから、50メートルほどの刃のような巨大な水晶の葉が突き出ているのが見えます。これで太陽光を集め、電力を蓄えるんです。〈集光葉〉といいます。現在は地上に適応しているとはいえ、元来は宇宙植物ですから、セルロースなんかでは構成されてないです(笑)。
ボヤギン 「あれが裂空花……噂に聞くが、見るのは初めてだ」
GM 結晶状の植物組織が、陽光を反射して、まぶしいほど輝いています。
ボヤギン 「……そうだな」と、恋秘華に頷き。(俺の蘇龍機が、再び龍王機としての力を取り戻せば、やってみせるさ、そのくらい)と内心思う。
恋秘歌 「自由に行き来とは言わなくとも最低限、天界と連絡を取れるようにしないと、少なくとも私は、ラジオと同人誌は捨てられない」
GM/紺嶺花 (ガクッ)「そ、そんな理由なの、恋秘歌」
ボヤギン 「っはは、違いない。お前からラジオと同人誌を取り上げるなんて、カミサマにも無理だ」(笑)
キヨミ 恋秘歌の発言にちょっとズッコケつつ、「あんなに光を集めたら、凄いエネルギーなのでは?」
GM じゃ、そろそろ領主である司(ツカサ)のところにでも、情報収集にいきますか? ところで、 三龍帝国語でエネルギーはなんと言うのか……熱量?
ボヤギン 「街ひとつ吹き飛ぶほどだから、そりゃ、事前に掻き集められる総熱量は凄いだろうねい」
GM 裂空花の子房にある高揮発性ガスに、10年間集めた電力を一気に集中して電離、プラズマ化し、種子弾をその圧力で発射するのです。電熱砲みたいなものです。その爆発で裂空花そのものは破壊されます。
ボヤギン そろそろ司のところへいきましょう。
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【場面3:名護レンの御殿(ウドゥン)】
GM 司(ツカサ)の御殿(ウドゥン)につきました。
司は、名護レン(29歳)、タッキリュウ使いのアラガミ師女性です。赤と黄の三龍装束に身をまとい、短髪で活動的なかんじの人です。事務室で皆さんを迎えます。「ようこそ、那魏巳へ」
恋秘歌 「具体的にどのような妨害が行われているのか、資料を渡してもらいましょうか」
キヨミ 「この度はヨロシクお願いします」(ぺこり)って、なんでアラガミ師が居るのかな?
GM/名護レン 「さっそく本論だが。どうも夜間に、集光葉を破壊する奴がいるようで困っている。そいつを逮捕、撃退してほしいんだ」
三龍帝国で地方領主といえば、普通はアラガミ師が龍神司(リンガミツカサ)をやってますから。
ボヤギン 事務室の机に体が隠れているので、懸命に飛び跳ねながら話を聞いている。
GM/名護レン 「火器が使われた形跡はないが、かなりの破壊力で一撃されているようだ」
キヨミ 「そちらの部下は何か目撃されたことはありませんか? 水晶の葉を破壊するんだから凄い攻撃力ですね」
GM 「いや、夜間、こちらの歩哨の間隙をついて破壊しているようで、残念ながら」
恋秘歌 「ということは機械系の敵ということは無さそうね。それならまず見つかっているでしょうし」
GM/名護レン 「なにせ人手が足りなくてな。すまないが、まず破壊された集光葉を現地調査して、次に破壊される葉を推測してもらえまいか? 天魂の方には容易なことであろ?」
キヨミ んん!! 高破壊力・機械ではない・人目につかない……それって竜撃士なのでは!?
GM/名護レン 「必要な装備や〈拡張筐体〉は、ある程度はこちらで手配するから、よろしく頼む」
恋秘歌 「状況から推測するに、犯人はダガンの竜撃士かしら。星覇というのも考えられるけど」
キヨミ 「花および葉の詳しい位置を記した地図も借りられれば幸いです」
ボヤギン ……ダガン(竜撃士)っぽいかも。星覇がここで絡む動機はちと薄い。ともあれ、現地にいかねばどうにもならぬか。
GM/レン 「ガルナス帝国か、そう考えてみると、同盟軍にしておいて平気なのかと思うな(笑)」
恋秘歌 一度に破壊された集光葉は一つだけ? 複数犯か単独犯なのか判断はつくかな?
GM 複数の葉が破壊された日もあるそうです。まあ、一度に2枚だけですが。
ボヤギン 「……だからあんな筋肉バカどもより、うちらガーグ宗王国を正式な国家として承認しろと、あれほど……」
ガルナス・ダガンとガルナス・メイの政治的対立をあらわすロールプレイである。
恋秘歌 「現状では状況証拠しかないけど、疑われる余地は十分にある。同盟関係の悪化を狙った工作という可能性も」
GM 世界観的に、ナイス演技です。
このあたりの思考のめぐらせ方は、多民族SFである三龍戦騎RPGならではのものであろう。
GM キヨミさんは、〈拡張筐体〉を借りるのかな。何の筐体にする?
ちなみに現場は、半分水没した都市で、水深3メートルぐらいの浅瀬だよ。町はずれにある、〈伝道者〉のものらしい古代都市です。裂空花の根の影響で海底が隆起して、遠浅の水域となり、古代の高層ビル街の廃墟が姿を現した、とのこと。
キヨミ やはり借りる拡張筐体は、「キ99水戦」かな。
GM おいす、じゃあ、キ99水戦を借りました。流麗なフロート付きプロペラ戦闘機ですな。白く塗られた機体が綺麗だ。
恋秘歌 「古代都市の遺跡なんて、滅多にみれるものじゃないわね。取材もかねて行ってみましょう」
GM キヨミは海岸で離陸して上空から偵察、ほかのPCは地上から。でいいですか?
キヨミ ううう、飛んでるところを攻撃されたら素で死にそうですね。
GM その水上遺跡での行動についてのペナルティは、戦車や蘇竜機なら、浅瀬だから……まあ、動-2だけでいいです。
ボヤギン ふうん。増槽でもう-1くってるんだよなあ、-2は微妙だなあ。……リンドブルム型って、ファーグニルと共同開発した蘇龍機があったな、あれがファーグニル側に流れた可能性もあるなあ……。
キヨミ 恋秘歌さんは、どちらと一緒に行動します?
恋秘歌 はっ、どっちに転んでも前回の恐怖再び!
などと話しつつ、一同は、現地の古代遺跡へと向かうのであった。
つづく 第2章